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世界が見えるトピックス 開発途上国レポート

広瀬アリスさんのインド訪問

昨年、妹すずさんへの誕生日プレゼントを探しに、フィリピンを訪れた広瀬アリスさん。厳しい環境で暮らす人々の現実を知り、そこに寄り添う日本人の方々と出会い、モノづくりやデザインの力によって「つくる人も買う人もハッピー」な協力のカタチを知りました。
その後アリスさんはすぐに行動を起こし、チャリティTシャツをチチカカさんと共同開発。自らこのハッピーな協力に携わっています。今回アリスさんが訪れたのは、チャリティTシャツの生産地であるとともに、ファッションに欠かせないある原料を日本・JICAが長く支援している国、インドです。今回はどんな出会いが待っているのでしょうか?!視察レポートをお届けします。

1.お母さんたちの新たな笑顔を

首都デリーから車で約2時間。モディナガールという北インドの町へやってきました。
アリスさんとチチカカさんのチャリティコラボTシャツの生産地です。外気温は朝からすでに36℃。そんな猛暑に負けず、民家の外で作業する女性たちと一緒にTシャツのイラストを刺繍したアリスさん。刺繍の指導役のお母さんが「家族と暮らしながら自分で仕事が持てることがうれしい。この仕組みが大きくなってみんなが幸せになることが私の夢です」と言うと、「私がデザインしたイラストや色使いを実現してくれているのが皆さんなんです。ありがとうございます!こういう過程をしっかり日本の方にも伝えたいです!」とお礼を伝えるアリスさんは、お母さんたちの夢をしっかり繋いでいます。

女性グループのリーダーSunitaさんに刺繍を教わり、「家庭科は得意なんですが難しい!」と緊張気味のアリスさん女性グループのリーダーSunitaさんに刺繍を教わり、「家庭科は得意なんですが難しい!」と緊張気味のアリスさん

このTシャツの売り上げ一部は、前回フィリピンで訪れたなんプロメンバー団体の特定非営利活動法人ソルト・パヤタスさん、認定NPO法人アイキャンさんへ寄付され、フィリピン・インドの生産者のお母さんたちの新たな笑顔をつくる資金にもなります。

2.インドで1番有名な??

首都デリーにある、インドで1番有名な日本・JICAの協力の現場、「デリーメトロ」にやってきました。人口増加や経済活動活況による交通渋滞、さらには大気汚染対策のため、日本・JICAが1997年から協力してきたこの鉄道、様々な日本式のサービスが活用されています。
そのひとつが女性専用車です。女性でも安心して乗車できるよう、日本の協力で女性専用車両が導入されました。アリスさんも乗車!

デリーメトロの女性専用車両に乗車。多くの市民に利用されていて、快適な車内デリーメトロの女性専用車両に乗車。多くの市民に利用されていて、快適な車内。

「駅構内や車内にゴミひとつ落ちていないし、綺麗でびっくり。空調も快適だし、これなら安心して乗れます。日本の地下鉄と似ていますね」
普通車両との女性専用車両の間に警備員がいたり、男性が万が一乗車した場合は罰金が課されるなどの工夫を知り、アリスさんは「女性に配慮した色んな工夫が素晴らしいなと思いました」と話しました。
女性が安心して乗車できるようになることで、 移動の自由が増え、女性の社会進出につながっています。ちなみに、女性の乗客が増えることにより、自ずと利用客全体も増え、運営を預かるデリーメトロ公社の安定的な財務基盤と利用しやすい安価な料金設定も実現されています。(なんと、今は毎日300万人規模が利用するように、日常の「アシ」としてものすごく活用されています!)

東京メトロでおなじみの線路ごとに色づけするカラーラインも活用されています東京メトロでおなじみの線路ごとに色づけするカラーラインも活用されています。

3.日本が協力を続ける、インドファッションに欠かせないもの

デリーから飛行機で約3時間、南インドのベンガルールに到着です。高地であるため、酷暑の北インドに比べて涼しく過ごしやすい気候です。「何だか初めて来る気がしないです」と話すアリスさん。中心地から車で数十分も走ると、緑広がるのどかな風景が懐かしさを覚えます。ベンガルールよりさらに車で約3時間、青年海外協力隊(JICAボランティア)の活動現場を訪れました。

インドと言えば、伝統衣装のサリーやスカーフを始めとしたシルク製品が有名です。実は近代、インドは優良なマユの生産に苦戦していた背景があります。そこでJICAは、マユの質を高めるための技術協力をインド南部で2007年までの16年間、続けてきました。「一列に並ぶ桑畑や、少ない水で効果的に給水できる灌漑用のパイプも、日本人専門家が技術指導したものです」と話すのは山中優生隊員と青木望隊員。

隣のカルナタカ州の養蚕農家で活動する青木隊員。隣のカルナタカ州の養蚕農家で活動する青木隊員。
虫が苦手なアリスさん。山中隊員とカイコの餌やりを体験しました!虫が苦手なアリスさん。山中隊員とカイコの餌やりを体験しました!

現在、さらなる技術の普及のために、専門家の想いを受け継ぎ、それぞれ養蚕農家の方々と一緒に汗を流しています。農家リーダーのスリダルさんは「バラバラに作業していた私たちを優生(山中隊員)がまとめてくれた」と笑顔で答えます。アリスさんが「日本の方に伝えたいことは?」と質問すると、青木隊員は「農家さんに導入された日本の技術はその高さが認められており、私が日本人であるというだけでも私の話を聞いてくれます。相互の敬意と信頼が息吹いています」と答えました。

村の農家さんやかつて日本人専門家から指導を受けた中央養蚕局の方々へインタビュー村の農家さんやかつて日本人専門家から指導を受けた中央養蚕局の方々へインタビュー。

4.森を守ることが、暮らしを変える

南インドのカルナタカ州にあるのどかな村では、カルナタカ州森林局や村の森林管理委員会が住民たちに森を守る大切さを知ってもらい、森林に頼らない形で生活の向上を目指す取り組みを続けています。アリスさんが到着すると、村のたくさんの女性たちが出迎えてくれました!

生計向上活動に取り組む女性たち(JICAの支援を受けた村にて)生計向上活動に取り組む女性たち(JICAの支援を受けた村にて)。

「これまで森の木を切って薪を売ることで生活の足しにしていたけれど、森との共存を目指す村の委員会からサポートを受けて、羊や牛を買って飼育し、羊の肉や乳を売って収入を得ることができるようになりました」と話す女性の一人に、「これから何をしていきたいですか?」とアリスさんが聞くと、「キャンドルなどの民芸品の作り方を学んだりして、もっと生活を良くしたい。」と期待に満ちた表情で答えます。

生計向上活動に取組む村の女性から真剣に話を聞くアリスさん生計向上活動に取組む村の女性から真剣に話を聞くアリスさん。
生計向上活動の一環として各家庭で、羊や牛を飼えるようになりました。生計向上活動の一環として各家庭で、羊や牛を飼えるようになりました。

植林サイトに移動し、ユーカリの木に囲まれながら村の人たちと一緒に働く森林局のディープさんは、「日本の支援を受けて、木を違法に切らずに持続的で自立的な方法で収入を得られることを知った住民の方の意識は、明らかに変わってきました。」と誇らしげに説明しました。アリスさんは最後に、「お母さんたちがもっと仕事をしたい!生活を良くしたい!という気持ちがすごく伝わってきました。私も日本でできることをがんばります」と語りました。

森林局担当者から森林の持つ役割について話を聞くアリスさん。森林局担当者から森林の持つ役割について話を聞くアリスさん。
植林へ向かう笑顔の女性たち。植林へ向かう笑顔の女性たち。

旅の最後に、アリスさんはこう語りました。

前回のフィリピンと全然雰囲気が違って、でも現地の方が悩んでいることは同じでした。ひとりひとりにお話を伺うと、自分たちの生活をもっと良くしたいと前向きに思っているんですよね。
そういった現地の方の想いを沢山の人に知ってもらって今よりももっと日本が支援出来るようになるといいなと思いました。

写真提供:久野真一/JICA