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世界が見えるトピックス 開発途上国レポート

永島昭浩さんのカメルーン訪問~サッカーだけではない日本とカメルーンの絆~

サッカー教室に参加した子どもたちと共に

カメルーン

今回永島昭浩さんが訪れたのはアフリカ大陸中部、ちょうどくぼんだところに位置するカメルーン共和国。カメルーンは1960年の独立以来政治的に安定し、天然資源や農業に適した肥沃な土地と気候に恵まれた、魅力あふれるアフリカの国の一つです。しかし近年は経済成長の鈍化、北部地域におけるイスラム過激派組織ボコ・ハラムの攻撃や経済格差の拡大によって生まれた貧困問題など、解決していない課題が多いのも事実。そんなカメルーン、現地に住む日本人達がどんな活動をしているのかを楽しみに、カメルーンの首都ヤウンデに足を踏み入れた永島さんです。

1.日本とカメルーンを繋ぐ“サッカー”という架け橋

カメルーンと聞いて、おそらく真っ先に思い浮かぶのは「サッカー」ではないでしょうか?カメルーンは、Jリーグで活躍したエムボマ選手や世界的に有名なエトー選手等、日本でも有名なサッカー選手を数多く輩出しています。2002年日本・韓国で行われたFIFAワールドカップの際、大幅に遅れて日本に到着したカメルーン選手団を受け入れた大分県中津江村でのエピソードは、多くの人の記憶に残っています。そんなサッカー大国カメルーンですが、中津江村元村長のワールドカップ後のカメルーン訪問や、日本サッカー協会によるカメルーン女子サッカーの技術支援など、“サッカー”を通じた国際協力が今もなお続いています。
カメルーンサッカー協会(FECAFOOT)を訪問した永島さん、副会長との面談では、今後もサッカーを通じた2国間の良好な関係が継続されていくこと、日本サッカー協会・JICAを通じたカメルーン女子サッカー支援の検討が進められていくことへの期待をお話されました。「将来、W杯の決勝で日本とカメルーンが対戦することを願っています!」と熱い誓いを結んだ副会長と永島さん。スポーツを通じた国際協力の力を実感した瞬間です。

在カメルーン日本大使と共に、選手サイン入りのカメルーン代表ユニフォームをプレゼントされた永島さん

在カメルーン日本大使と共に、選手サイン入りのカメルーン代表ユニフォームをプレゼントされた永島さん

2.現地で活躍する日本人と子どもたちの笑顔

首都ヤウンデから南に車で3時間程離れた街、サンメリマで活動している日本人がいます。青年海外協力隊の廣木瀬菜隊員です。環境教育隊員として派遣されている廣木隊員は、現地の小学校で歌やカードゲームを取り入れた楽しい授業を通じて、子どもたちにゴミの分別・収集・再利用等の環境問題について教えています。カメルーンではゴミ収集を実施する組織は存在するものの、収集場所でない場所へのゴミの投棄や、ゴミ収集の機能不足等の問題を抱えています。そんな中、廣木隊員は子どもたちへの授業を通じて啓発活動に取り組んでいるのです。
「環境教育は、カメルーンの子どもたちに上手く伝わっているんですか?」と廣木隊員に聞く永島さん。「カメルーンの子供達は皆素直で真面目です。教える側が真摯に教えれば確実に浸透します。私が授業で教えたことによって、今ではグラウンドの掃除も子どもたち自ら行うようになったんです!」と廣木隊員が答えました。子どもたちから熱い歓迎を受け、彼らが熱心に授業を受ける姿を見た永島さんは、「日本人の持つ温かさや優しさ、真剣さが、この地域の子どもたちにしっかりと伝わっているんだなぁ」と、授業をする廣木隊員と子どもたちを見つめていました。

子どもたちも日本からのお客さんに大喜び!

子どもたちも日本からのお客さんに大喜び!

永島さんも子どもたちと一緒に授業に参加。

永島さんも子どもたちと一緒に授業に参加。

「この街の人達は私を家族の一員のように親しく接してくれます。日本以上に家族の概念がカメルーンでは広いんです。」と廣木隊員

「この街の人達は私を家族の一員のように親しく接してくれます。日本以上に家族の概念がカメルーンでは広いんです。」と廣木隊員

サンメリマにある別の小学校で、永島さんはサッカー教室を開催しました。この小学校には小さいサッカー用のグラウンドがあるのです。その名も「ミゾ・スタジアム」。過去にこの小学校で活動していた協力隊員、溝川さんが、子どもたちのために傾いた空き地を平らなサッカーグラウンドへと作り変えたのです。そんなグラウンドで、カメルーンの子どもたちと一緒にボールが蹴れる喜びを永島さんもかみしめていました。
ドリブル・パス・シュート練習を実施した後、年代別に分かれて試合を行う子どもたち。高いボールに対して頭ではなく足を高く上げて蹴りに行く姿を見て、永島さんも子どもたちの身体能力の高さに圧倒されたようです。
普段は空のペットボトルをボール代わりにサッカーをする子どもたちは、日本サッカー協会から提供された20個のボールでサッカー出来る喜びを体全体で表現していました。最後に、永島さんがそのうち2個のボールを同校へ寄贈すると発表すると、子どもたちは皆で大きな声で喜びを爆発させていました。それを見た永島さんも、この国でサッカーが愛されていること、そして彼らに短い時間でも技術を教えることが出来た今回のサッカー教室の意義を実感したようです。
今回使用した残りのサッカーボールは、青年海外協力隊員が活動するカメルーン各地の学校に寄贈される予定です。

指導にも力が入りました!

指導にも力が入りました!

3.カメルーンに広がる日本の稲作 紙芝居と実習で教える技術

次に永島さんが訪れたのはJICAの実施する「コメ振興プロジェクト」です。カメルーンの4州において、コメの生産から販売までの一連の流れをカメルーンに浸透させることを目的としたこのプロジェクトでは、土の上で育つ「陸稲」と水田で育つ「水稲」、2種類の稲作技術を日本人専門家が指導しています。
首都ヤウンデ近辺のアコノ村にて、日本人専門家から稲作の技術指導を受けてきたカメルーン人の普及員が、今度は地元農民に対して学んだ知識を普及していく研修を視察しました。普及員が農民達にわかりやすいよう、紙芝居を使って視覚的に栽培方法を教える様子を見て、「指導する側も学ぶ側も皆真剣に取組んでいる。このプロジェクトでは栽培方法だけではなく、皆で農作物を作るチームワークの重要性も教えてくれるね。」と永島さん。農民達には研修後に種が支給され、それぞれ稲作に取り組むことになります。

研修は木の下で行われました。参加者は熱心に普及員の話に耳を傾け、真剣な眼差しで質問をしていました。

研修は木の下で行われました。参加者は熱心に普及員の話に耳を傾け、真剣な眼差しで質問をしていました。

紙芝居での座学の後、いよいよ実践です。永島さんも混ざって皆で種蒔きをしました。森を切り開いた場所の土を耕し、手作りの農具で畝(うね)を作り種をまく、という体験をした永島さんは、「これはめちゃくちゃしんどい!暑くてかなわん!」とお疲れの様子。
ちなみに、永島さんが着ているのは、260以上あるとされるカメルーンの民族の、伝統衣装の一つ。農業にはちょっと不向きだったみたいです。。。
「今までに作ってきた農作物に加え、コメも作れるようになれば生活はより安定します。一人で様々な農作物を作るのは大変だが、村の人と協力しながら頑張っていきたいです!」と現地の方は志高く語ってくれました。

  • 日本人の専門家にも会えました。

    日本人の専門家にも会えました。

  • ド派手な民族衣装で種蒔きに挑戦!

    ド派手な民族衣装で種蒔きに挑戦!

熱帯雨林地域陸稲振興プロジェクト
https://www.jica.go.jp/oda/project/1000645/index.html

4.5S・カイゼンによって生まれ変わった縫製工場のキセキ

最後に永島さんが訪れたのはカメルーンの経済都市、ドゥアラです。大西洋のギニア湾に面し、カメルーンの産業・経済の中心地といえるドゥアラでは、カメルーンの経済成長と雇用拡大のために、JICAによる中小企業への支援が実施されています。カメルーンでは中小企業が全企業の75%を占めていますが、起業後数年で倒産するケースが非常に多いのが課題です。そこでJICAは、日本のノウハウである「5S(ゴエス:整理・整頓・清掃・清潔・しつけの意)」・「カイゼン」を浸透させるために、カメルーン政府と共に5S・カイゼンを指導できるコンサルタントを育成し、中小企業へ指導を行う体制を整えています。日本の5S・カイゼンがどのようにカメルーンの中小企業を変えることができるのでしょうか?
今回永島さんは縫製工場を訪問し、コンサルタントによって5S・カイゼンが導入され、どのような変化をもたらしたのか見学しました。まず目に入ってきたのが、用具や書類が綺麗に整理・整頓されている工場の中。カメルーンの企業では、書類が平積みで乱雑に置かれ、倉庫にはゴミと資材が混在してしまっているのが一般的な光景ですが、この縫製工場ではプロジェクトの指導によって書類や資材が整理され、在庫も適切に管理されています。結果、業務効率が飛躍的に向上し、経営も瞬く間に改善されていったのです。
この工場では少し前にカメルーン人の社長が亡くなり、急遽ビジネス経験の無いドイツ人の奥様が工場を引き継ぎましたが、経営も苦しく従業員からの不満も募る一方で、非常に難しい局面に立たされました。そんな中、このプロジェクトに出会い、派遣されたコンサルタントと従業員が関わっていく中で、一丸となって企業を良くしていこうという熱い気持ちが芽生え、今ある姿に生まれ変わったのです。

  • きれいに整理された道具

    きれいに整理された道具

  • 社長と対談する永島さん

    社長と対談する永島さん

「サッカーと一緒で、世界一の企業を目指すためにはチームワークを持ってコツコツと「準備」を進めることが一番重要。このプロジェクトではその「準備」の重要性を叩き込んでくれる。5S・カイゼンを活用して世界一の企業を目指してほしい!」と強く激励した永島さん。工場の従業員たちはカイゼンプロジェクトのためにデザイン・製造したポロシャツを着て、ダンスと掛け声で永島さんを大歓迎。チームワークの良さ・モチベーションの高さを体感した企業訪問でした。

KAIZENと書かれたポロシャツを皆で着て一枚

KAIZENと書かれたポロシャツを皆で着て一枚

中小企業品質・生産性向上(カイゼン)プロジェクト
https://www.jica.go.jp/oda/project/1300515/index.html

5.終わりに

カメルーンで根付く、日本の支援に触れた永島さん。まだまだ多くの課題を抱えるカメルーンですが、日本人の持つ温かい心、共に国を良くしたいと思う心がカメルーン人の中に宿っていると強く実感しました。そして「カメルーンで暮らす現地の方々の力強さに、逆に元気をもらいました!」と永島さんが言いました。
今回のカメルーン視察で永島さんが感じた日本人の心、現地の人達の力強さ、そしてスポーツを通じた国際協力の素晴らしさを胸に、永島さんの活動は続きます。

首都ヤウンデが一望できる丘にて

首都ヤウンデが一望できる丘にて