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世界が見えるトピックス 開発途上国レポート

さかなクンのブラジル訪問~人とお魚がつなぐ絆

なんとかしなきゃ!プロジェクトメンバーのさかなクンは、2012年にアフリカ・セネガルを訪問し、人とお魚がつなぐ世界の絆を知りました。そして、今回の訪問先は南米、ブラジルです。
「ブラジルは2年前ぶり2回目の訪問なのですが、なんだか久しぶりという感じがしなくて、ほっとします」というさかなクン。
今回はどんなお魚や人との出会いが待っているのでしょう?
さかなクンに密着取材したのは、学生レポーターの山口紗都美さん。山口さんからの報告を見てみましょう。

さかなクンがまず訪問したのは、サンパウロにある日本人学校。
サンパウロは、1200万人以上が暮らす南米最大都市の都市。日本企業も数多く進出しています。同市にあるサンパウロ日本人学校は今年創立50周年。これを記念して、ブラジルに住む日本人の子供たちへさかなクンからお魚の講義と「めで鯛」のイラストをプレゼント!
元気いっぱいの子供たちと触れ合ったさかなクンも、「子供たちからパワーをもらいました!」話し、長距離移動の疲れをまったく感じさせませんでした。

さかなクンがまず訪問したのは、サンパウロにある日本人学校。

持続可能社会に貢献できる、ピラルク養殖?!

自持続可能社会に貢献できる、ピラルク養殖?!

次に訪れたのは、サンパウロ市から車で1時間ほどの、イビウナという都市。
ここでは、世界最大級・世界最古?!と言われている“生きた化石”ピラルクの養殖を長年研究し、成功させた日本人、鴻池龍朗さんを訪ねました。
ブラジルでピラルクは一般的に食用とされていますが、そのほとんどが天然で、数にも限りがあります。鴻池さんは「ピラルク養殖は効率が良いため、将来的に人類の重要なタンパク源になる可能性がある」と語ります。驚くべきはその成長スピードの早さ。10センチほどの稚魚はたった1年で約10キロほどの大魚に成長するそうです。
「性格が温厚なため、狭い範囲にたくさんの数を入れてもストレスを感じることが少なく、肺呼吸で自ら酸素を取り込むことができるので、高密度養殖が可能。養殖地の水を小まめに変える必要もなければ、エサにもこだわる必要もない。このように狭い範囲で大量にかつ短い期間で成長できるピラルクはとても育てやすく、養殖しやすい魚と言えます」と力説する鴻池さん。
養殖池には150匹以上のピラルクが!さかなクンも捕獲体験に挑戦!まずは3人が網でピラルクを一か所に集めていきます。固い鱗に覆われた巨大な体で飛び回るピラルクをなんとか捕獲した鴻池さんとさかなクン。
「本当にすぎょいパワーと迫力でした!これぞ1億年もの間、姿を変えずに生き抜いてきた古代魚の生命力!」

鴻池さんは、ピラルク養殖池の排水で、下仁田ネギやレタスなど様々な野菜を栽培する挑戦も続けています。養殖用の排水は、ピラルクの糞などの栄養を多く含むため、出来上がる野菜はうまみ・甘味が増し、さらに成長スピードも上がるため、水を無駄にせず一石二鳥。
ピラルク養殖が持続可能な社会に貢献できることがより広く認められ、今後さらに発展していくことを期待したいですね。

日系社会との絆

日系社会との絆

かつて日本から移住した日本人をルーツにもつ人たちのことを「日系人」と呼びますが、そんな日系人が作るコミュニティは「日系社会」と呼ばれています。
ブラジルには、世界最大の日系社会があります。日系人口、なんと190万人。

日系社会という一つの文化が古くから根付いているからなのでしょうか、私自身ブラジルを訪れてまず感じたことは“過ごしやすい”ということ。さかなクンも「ほっとする」と感じたのは、なぜでしょう?

やはりその陰にあるのは「日系人が築き上げた信頼」だと思います。
ブラジルと日本は長い歴史の中で関係をもってきました。かつて農業などのためにブラジルに渡った日本人は、せっせと働き、その後も着実に結果を出していきました。日本人の真面目な性格は、異国の地でも発揮され、今日にまで良い影響を及ぼしています。

今回、そんな日系社会の方々を支える日本人女性を訪ねました。

小笠原純子さんは、JICAの日系社会シニア・ボランティアとして、和食普及のために活動しています。
「私は日本でレシピの研究を行っており、500のレシピをHPで紹介しています。かつてブラジルに訪れた時、強く感じたことは“ブラジルにはせっかく日系社会があるのに、本当の和食は普及しておらず、ブラジルならではの食材が活かしきれていない”ということでした。その時から、和食普及に携わりたいと望んでいました」と、ボランティア参加のきっかけを語ってくれました。
普及活動の苦労や印象に残ったことについて尋ねると、「料理というのは言葉が伝わらなくても共有できる。これはとても素敵なことだと思っています。言葉が伝わらないのなら、やって見せればいい。」と強く答えます。
「違う文化をもつ方と一緒に料理をしてみることで彼らの習慣にも気づきました。例えば、ここブラジルでは料理では一切砂糖を使いません。その代わり、食後のデザートにこれでもかというほどの甘いものを食べるんですよ。これはとても衝撃でした。和食をつくるうえで砂糖というのは調味料の一つであるのに、彼らにとって砂糖は調味料としてみなされてないのです。」

異文化を経験するうえで誰もが通る壁である文化の違い。
「時に厄介なときもありました。特にブラジル人は料理に対してもこだわらないことが多いので、調味料などの量を守らないことも日常茶飯事。それを見て、これでは料理にならない!と思った私は、最初の頃は口酸っぱく毎度厳しく伝えました。」
小笠原さんの努力で、今では生徒の皆さんは基本事項に注意しながら料理を楽しんでくれるようになったそうです。

日系社会との絆

さかなクンが訪れたこの日は、日系婦人会の皆さんを対象に鴻池さんのピラルクを使った和食の料理教室を開催。小骨が少なく、上品な白身が食べやすいピラルクを、お刺身やあんかけ、しゃぶしゃぶなど、様々なメニューで紹介しました。さかなクンは、地元千葉県房総の郷土料理「なめろう」をピラルクで作り、お好み焼きにしてふるまってくれました!日系社会の皆さんも初めての味に大満足。
「ブラジル国内は今空前の日本食ブームです。特に手巻きずし、ラーメンなどが人気を集めています。
このように日本食の素晴らしさが世界に広がり、認知度も高まったことは間違いないと思います。そんな誇らしい日本食を普及するために活動できていることはとても光栄なことです。」と話す小笠原さん。
さかなクンは、「小笠原さんのような日系社会を支援する人がいるからこそブラジルと日本の絆は深いんですね」と答えました。

小笠原さんのレシピサイト
家庭料理が一番!http://www.kateiryouri.com/

「見て」「触れて」「感じて」自然の大切さを知る“フィールドミュージアム”とは!?

「見て」「触れて」「感じて」自然の大切さを知る“フィールドミュージアム”とは!?

いよいよ、多くの人が一度は足を踏み入れたいと思う世界最大の熱帯雨林、アマゾンへやってきました。日本のおよそ20倍と言われるその地には、未だ未確認生物が数多く存在していると言われています。
そんな貴重なアマゾンの野生を体験し、人々が自然環境への意識を高めたり、子供たちの環境教育につなげることを目的とした活動を日本とブラジルが共同で進めています。その名も“フィールドミュージアム”。それは本来の生息地で野生の動植物を観ながら学んだり研究したりすることができる体験型の博物館。アマゾンの自然と生物の多様性を研究しているINPA(国立アマゾン研究所)がJICAや京都大学、伊藤忠商事と連携して取り組んでいます。

「見て」「触れて」「感じて」自然の大切さを知る“フィールドミュージアム”とは!?

現在は、INPAが保護したマナティを自然に帰す試みや、動植物と出会える保護林エリアを整備中。
このプロジェクトのメンバーである京都大学の池田先生が、さかなクンを案内してくれました。「乱獲によって傷ついたり親を失った赤ちゃんのマナティを保護しています。プロジェクトでは、マナティをまずは野外の大きな池など半野生の環境で慣らし、本来の野生へ帰す、という試みをしています。」
INPA内の水槽で泳ぐ赤ちゃんのマナティに、ミルクのえさやり体験をしたさかなクン!「肌触りがしっとりとして、かわいいですね!」と感動。
マナティは水槽はすぐに水が汚れてしまうため、毎日掃除も欠かせません。その手間を省くため、プロジェクトでは、ろ過装置の設置を計画しています。

「見て」「触れて」「感じて」自然の大切さを知る“フィールドミュージアム”とは!?

アマゾンネグロ川の支流を船で片道3時間上り、フィールドミュージアムの一部となる予定地も視察しました。そこは本当に草を掻き分けて山を登っていくような場所で。辺りを見渡すと様々な生物に出会うことができました。足元を覗けば、せっせせっせと葉を運ぶアリたちや、見たことのない植物の数々。貴重な野生を肌で体験しました。

「見て」「触れて」「感じて」自然の大切さを知る“フィールドミュージアム”とは!?

視察最終日にさかなクンは、ブラジルの子供たちに特別授業をしてくれました。アマゾンで出会ったお魚を水槽に展示し、イラストを描きながらクイズでそれぞれ魚の特徴などを伝えるさかなクンのお話を、子供たちは目をキラキラさせながら聞いていました。「みんな元気で明るいのでたくさん絵を書きたくなりました。初めてみるものの美しさに心ときめいて集中すると、吸収がとても早いので、もっともっと色んな生き物に出会ってもらいたいです!」と子供たちに伝えたさかなクン。アマゾンにいながら自然と触れ合う機会がない子供たちに、自分たちの国がいかに恵まれた自然環境を持っているか、知ってもらう」きっかけとなったはずです。フィールドミュージアムでは、自然保護だけではなく、このような子供たちへの環境教育に繋がる活動も進めていきます。

旅の最後に、さかなクンはこう語りました。
「ブラジルで感じる心地よさ。それは、アマゾンの素晴らしい自然や、日本とブラジルの国を超えた友情が人の温かさを作っているからなんだと思います。
日本の人たちにも、アマゾンの大自然の素晴らしさや、それを守ることの大切さ、日本とブラジルが一緒に取り組んでいる活動の素晴らしさを知ってもらいたいと思います」
さかなクンの日本での発信にこれからも注目です!

学生レポーターの感想
私は生まれて初めてアマゾンの地に足を踏み入れ、数え切れないほどの学びを得ました。アマゾンで出逢ったたくさんの暖かい人々、多くの生き物たち、果てしなく広がる大地、空、川それら全てを体の五感で感じることができました。
“ない”ものに頼らず、“ある”ものを工夫して利用する。自然との共存を考え、シンプルに生きる。そんな当たり前のようなことをすっかり忘れてしまっていたことに気づかされました。アマゾンで見た・感じたことを脳に焼き付け、普段の行動の中で意識していきたいです。例えば、頭や体を洗うときはシャワーを流しっぱなしにしない、ゴミをなるべく細かく分別するよう心がける。そんな小さな積み重ねが習慣となり、いつしか私の周りの人たちに広がってしていくことを信じてやっていくことが私の一歩だと思います。