
武部聡志 × 鳥山雄司 対談「音楽のチカラ」
音楽のチカラで国際協力の「架け橋」になりたい ──
数々の名曲を世に送り出してきた二人、
音楽プロデューサー武部聡志さんとギタリスト鳥山雄司さんが語りました。
2010/12/01
数々の名曲を世に送り出してきた二人、
音楽プロデューサー武部聡志さんとギタリスト鳥山雄司さんが語りました。
2010/12/01

長い日本の音楽の歴史の中でも、数多くの名曲を世に送り出してきた二人、音楽プロデューサーの武部聡志さんとギタリストの鳥山雄司さん。「なんとかしなきゃ!プロジェクト」に参加した理由、開発途上国と音楽の関係性、そして二人が目指す「国際協力」とは。前回の平原綾香さんと渡辺真理さんに続き「音楽のチカラ」をテーマにお二人が語りました。
武部聡志(左)
大学在学中よりキーボーディスト・アレンジャーとして数多くのアーティストを手掛ける。1983年より松任谷由実コンサートツアーの音楽監督を担当。1990年より本格的にプロデューサーとしての活動を始め、一青窈、大黒摩季、今井美樹etc.のプロデュース、CX系ドラマ「BEACH BOYS」、「西遊記」etc.の音楽担当、CX系「僕らの音楽~OUR MUSIC~」の音楽監督等、多岐にわたり活躍している。
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鳥山雄司 (右)
1959年生まれ。1981年慶応大学在学中にセルフプロデュースによるソロ・デビューアルバムを発表。その後1996年にスタートしたTBS系ドキュメンタリー番組「世界遺産」にテーマ曲「The Song of Life」を提供、大ヒットオムニバスアルバム「image」にも収録され、自身の代表曲となる。
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大学在学中よりキーボーディスト・アレンジャーとして数多くのアーティストを手掛ける。1983年より松任谷由実コンサートツアーの音楽監督を担当。1990年より本格的にプロデューサーとしての活動を始め、一青窈、大黒摩季、今井美樹etc.のプロデュース、CX系ドラマ「BEACH BOYS」、「西遊記」etc.の音楽担当、CX系「僕らの音楽~OUR MUSIC~」の音楽監督等、多岐にわたり活躍している。
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鳥山雄司 (右)
1959年生まれ。1981年慶応大学在学中にセルフプロデュースによるソロ・デビューアルバムを発表。その後1996年にスタートしたTBS系ドキュメンタリー番組「世界遺産」にテーマ曲「The Song of Life」を提供、大ヒットオムニバスアルバム「image」にも収録され、自身の代表曲となる。
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武部 日本という国はのほほんと暮らしていて、我々も何の不自由も無く育ってきた世代です。そんな我々が、紛争や飢餓がある開発途上国の現状を知ってできることは、政治的な力があるわけでもないので、音楽の力でできることを模索することだと思います。今までは自分のためだけに音楽を作ってきたけれど、キャリアを積んで、やっと社会貢献を探せる歳になったんだなと。


鳥山 音楽は色々な側面から人に希望を与える力があります。僕らができることは「音楽で幸せにする」ことに尽きると思いますね。
武部 僕がプロデュースしている一青窈※というアーティストが、あるテレビ番組のチャリティーでカンボジアに行き、子ども達に歌を教えて一緒に唱い、集まったお金で学校を建てるというプロジェクトがあったんです。
全く歌を唱ったことがない子ども達に歌を教えると、彼らは本当に嬉しそうに歌を唱う。そんな映像を観て僕も「この子たちに何か出来ることは無いか?」と思ったんです。それと同じように、僕らが「なんとかしなきゃ!プロジェクト」と行動を起こすことで、日本国内の国際協力に無関心な人たちが「自分にもできることがあるんじゃないか?」と関心を持ってくれたらいいな、と思います。
※一青窈(ひとと・よう):女性歌手。2002年、武部さんプロデュースによりデビュー。「もらい泣き」「ハナミズキ」などのヒット曲も武部さんのプロデュースによる。
武部 僕がプロデュースしている一青窈※というアーティストが、あるテレビ番組のチャリティーでカンボジアに行き、子ども達に歌を教えて一緒に唱い、集まったお金で学校を建てるというプロジェクトがあったんです。
全く歌を唱ったことがない子ども達に歌を教えると、彼らは本当に嬉しそうに歌を唱う。そんな映像を観て僕も「この子たちに何か出来ることは無いか?」と思ったんです。それと同じように、僕らが「なんとかしなきゃ!プロジェクト」と行動を起こすことで、日本国内の国際協力に無関心な人たちが「自分にもできることがあるんじゃないか?」と関心を持ってくれたらいいな、と思います。
※一青窈(ひとと・よう):女性歌手。2002年、武部さんプロデュースによりデビュー。「もらい泣き」「ハナミズキ」などのヒット曲も武部さんのプロデュースによる。
開発途上国と音楽について
鳥山 皆さんが最近メディアでよく耳にする「R&B※1」のようなダンスミュージックは、元々はアフリカ民族の音楽です。彼らの「声の瞬発力」は日本と全く違いますね。
武部 例えば「スティング※2」にしても、アフリカのアーティストや楽器をどんどん取り入れている。日本よりもヨーロッパの方がはるかに途上国の音楽のパワーを吸収しているよね。
鳥山 以前、アメリカのロックバンドのミック・フリードウッド※3というおじさんが、アフリカ大陸を北から南まで「フィールドワーク※4」をしたんですよ。それこそ大きなテープレコーダーを持って。現地で太鼓を叩いている人を見つけたら話しかけて、音を録らせてもらう。そして彼は持ち帰った音に合わせて自分でドラムを叩き、音楽を作るんです。アフリカの現地の音を取り入れることは、音楽の作り方の一つとして確立されていますね。
武部 例えば「スティング※2」にしても、アフリカのアーティストや楽器をどんどん取り入れている。日本よりもヨーロッパの方がはるかに途上国の音楽のパワーを吸収しているよね。
鳥山 以前、アメリカのロックバンドのミック・フリードウッド※3というおじさんが、アフリカ大陸を北から南まで「フィールドワーク※4」をしたんですよ。それこそ大きなテープレコーダーを持って。現地で太鼓を叩いている人を見つけたら話しかけて、音を録らせてもらう。そして彼は持ち帰った音に合わせて自分でドラムを叩き、音楽を作るんです。アフリカの現地の音を取り入れることは、音楽の作り方の一つとして確立されていますね。

武部 そういう音楽って、民族音楽や地域の音楽を「おいしいトコ取り」しようという気持ちでは成立しない。その音楽に対して、本当に敬意を払って、現地の人と同じ目線でコミュニケートしないといけないんです。でも僕らは今まで、そういう音をなんとなく聴いて「おいしいトコ取り」しかしてこなかった。本質的に彼らの音楽を理解するんだったら、実際に現地に行って、見て、彼らをより深く知ることから始めなければならないと思います。
※1 R&B:「リズム・アンド・ブルース」の略で音楽ジャンルの一種。ジャズやブルース、ゴスペルなどアフリカ系の音楽から発展したと言われる。
※2 スティング:グラミーなど多数の受賞もあるイギリス出身の世界的なミュージシャン。熱帯雨林の保護活動などの社会活動に積極的であるとしても知られる。
※2 スティング:グラミーなど多数の受賞もあるイギリス出身の世界的なミュージシャン。熱帯雨林の保護活動などの社会活動に積極的であるとしても知られる。
※3 ミック・フリードウッド:イギリス出身アメリカ在住のミュージシャン。自身のバンド「フリートウッド・マック」のドラマーとして知られる。
※4 フィールドワーク:ある調査を行うために、実際に現地を訪れ観察や聞き取りなどを行うこと。学術用語としても用いられる。
※4 フィールドワーク:ある調査を行うために、実際に現地を訪れ観察や聞き取りなどを行うこと。学術用語としても用いられる。
国際協力について
武部 僕らは音楽家ですから、音楽をベースに国際協力が出来ればいいなと思っています。多くの開発途上国には素晴らしい音楽、素晴らしい民族性があります。我々が行って、一緒に楽器を演奏したり、日本の音楽を紹介することで、国際協力の「架け橋」の小さな一歩になるかもしれません。
鳥山 例えば、インターネットで世界中に呼びかけて、音のデータを集めてひとつの音楽を作ること。これはとてもリーズナブルで、時間の制約も無く出来ることですよね。大勢で何かを作り上げたときの喜びが、国際協力への「無関心」から「関心」になる一歩だと思うんです。そういうことができないか、模索したいと思っています。
武部 僕は、色々な国の音楽を紹介できるショーケースのようなイベントを催したいですね。アフリカの音楽、南米の音楽、アジアの音楽でも、世界の音楽を広く知ってもらう為のイベントを催すことで、その国や、その国の現状に対して興味を持ってもらうきっかけになる。音の万博のような、そんな「入り口」をつくりたいと思います。
鳥山 例えば、インターネットで世界中に呼びかけて、音のデータを集めてひとつの音楽を作ること。これはとてもリーズナブルで、時間の制約も無く出来ることですよね。大勢で何かを作り上げたときの喜びが、国際協力への「無関心」から「関心」になる一歩だと思うんです。そういうことができないか、模索したいと思っています。
武部 僕は、色々な国の音楽を紹介できるショーケースのようなイベントを催したいですね。アフリカの音楽、南米の音楽、アジアの音楽でも、世界の音楽を広く知ってもらう為のイベントを催すことで、その国や、その国の現状に対して興味を持ってもらうきっかけになる。音の万博のような、そんな「入り口」をつくりたいと思います。
鳥山 そういうショーケースをつくることも、インターネットで世界中に演奏してもらうことも、手法は違えど同じ国際協力ですね。


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