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日本にようこそ。スジット先生

医療・教育・女性のエンパワーメントを軸に置くインドのNGO、IIMC(Institute for Indian Mother and Child)の創設者かつ代表であるDr.スジットことスジット先生が6月に来日、各地の大学で講演会が催されました。

6月10日に筑波大学で行われた講演会の様子をレポートします。

スジット先生のインタビューはこちら⇒

 

 

学生レポーター 山部文子・戸田理香子

取材・文責:学生レポーター 山部文子・戸田理香子

 

 

 

スジット先生がIIMCをはじめた理由

Dear friend、講演会に来てくれてありがとう。今日は世界の裏側で、どんなことが起こっているか知ってもらおうと思います。私は貧しいインドの田舎で生まれましたが、幸運なことに医者になり、ベルギーに留学して一人前の、人に役に立てる存在になりました。
私は医者であることを誇りに思っています。世界中のどんな人でも医療を必要としているので、どんな社会でも受け入れられ尊敬されるからです。一方、医者は自分の仕事に対して高い倫理観を持っていなければなりません。「地球村」という大きな一つの星に住んでいる私たちは、インドで、アフリカで、アジアで、人が死んでいるのを無視することは許されません。反応し、何かをしないといけません。

私はインドの貧困や病気がどんなものかを身を持って知っていました。田舎の人の90%は医者にかかったことがなく、病気になれば祈るしかないという、インドの医療状況の厳しさを知っていました。ベルギーで小児科医として働いていましたが、インドの田舎で貧しい人のために働いた方が自分は必要とされるのではないか、と思い1989年にコルカタに戻りました。貧しい人たちが、文化的・医学的・経済的・社会的に快適に生きるための役に立ちたいと思ったのです。

マザーテレサを知っていますか。彼女は私と同じ時代を生きた大変偉大な人です。コルカタに戻った私は、幸運なことに彼女と出会い、彼女の団体(慈善活動の宣教者会:Missionaries of Charity)の医局長として、二年間共に働くとこができました。“Possibly we can’t do great thing, but we can do small thing with great love.” (私たちは偉大なことはできません。それでも、小さなことを大きな愛をもって行うことはできます)と彼女は仰いました。1991年、私はマザーに「あなたは知識があるのだから、ご自身の新しいプロジェクトを立ち上げなさい、私はもう先が長くないので、あなたが子供たちのために働き続けてください」というお言葉を頂き、コルカタでIIMC(Institute for Indian Mother and Child)を立ち上げました。

IIMCは子供たちとお母さんのための団体です。子供は未来の市民です。現在のインドでは不幸なことに女性はあまり社会に参画していません。人口の半分が人間として役に立てないのは悲しいことです。だから私は子供と母親に支援を行うことに決めました。IIMCのモチーフは、子供と母親を二つの手、つまり世界中から集まるボランティアの手で支え、それが平和の象徴の鳩のように見えるようになっています。

 

 

IIMCでやっていること 「貧困の連鎖を壊す」

IIMCの医療

最初は田舎の村に行って小さな診療所を開きました。簡単なことしかできないけれど、治療をした子供のお母さんから「あなたは私にとって神様のようです」と言われることがありました。でも私は医者という職業を全うしただけです。

以前マザーに「お金がないのですが、どうやってプロジェクトを進めればいいでしょうか」と尋ねたところ、マザーは”Do good work, money is not problem.” (いい仕事をすれば、お金は問題にはなりません。自然と人が集まってくれます、物が集まります)と仰っていました。IIMCには世界中からボランティアとして医師、医学生、看護学生、歯学生が集まってきます。学生ボランティアは熱帯の病気を知ることができる、貧しい場所での病気の状況を知ることができる、そして何より命の大切さを知ることができます。また、日本政府を動かしてJICAからX線をもらったり、村民からの寄付で保育器やエコーの機械を買ったりしました。

集まってくれた人と物のおかげでプロジェクトは大きくなり、村民からもらった土地にボランティアと一緒に病院を建てられるまでになり、より専門的なことができるようになりました。患者が笑顔に、そして幸せになってくれることが一番美しいことだと思います。

 

IIMCの教育

病院で治療を続けているうちに、一度治療をしても同じような症状で再び病院に来る人、同じように怪我をして来る人がいることに気が付きました。細菌とは何か、ウイルスとは何か、どのような場面で怪我をすることが多いのかについて知らない人が多いのです。私には医学的知識があります。それを広めていくことが根本的な治療のために必要だと思い、教師である妻と一緒に教育を始めることを決めました。

教育するためのお金を集めるために、スポンサーチャイルドシステムを思いつきました。インドは物価が安いので、子供がひと月だけ生きるのに必要な金額は20ユーロ(=3000円)ほどです。世界中から寄付を募り、そのお金で子供の食べ物、洋服、鉛筆、医療、教科書など必要なものすべてを購入することができます。スポンサーのおかげで学校が建てられ、今までに6000人の生徒が卒業、現在も3000人が通っています。日本からは現在8人の子供が援助を受けています。

教育を受ければ、病気になりにくくなります。大学に行けるようになり、一人前の何かになりえることができます。文字が読めない家庭で育った子供は、学校に行かない限り絶対に文字を読めるようにはなりません。貧困は連鎖します。その連鎖を壊すことが大切です。一人の子供を教育することは、世界を変えることにはならないかもしれませんが、教育によってその子供の世界は開けていくのです。そしてその子供は他人の助けになっていくのです。

 

IIMCの経済

子供の教育を進める中で、「お金がなくて食べていけない」というお母さんたちの声をよく聞きました。そこで、私はバングラデシュに渡航しました。マイクロクレジット(貧しい人が対象の低金利の無担保融資)を行う銀行を開いてノーベル賞を受賞したユヌス医師のもとで経済の勉強をするためです。単にお金を与えるだけでは人に力を与えることにはなりません。お金を貸し、それを頭金にしてお母さんたちに仕事を始め稼いでもらうことが重要です。私たちは今までに約26000人のお母さんたちにお金を貸し、彼女たちは刺繍をしたり布を織ったり、野菜を売ったり、コーヒーショップを開いたりしてお金を稼いでいます。マイクロクレジットによって、仕事を始めることができ、人間らしく生きることができます。社会的、文化的、知的に成長することができるのです。彼女たちの刺繍や織物は私に託されて、今回のような講演会で販売されます。

 

IIMCの門

IIMCはどの政府からも援助を受けない、独立した団体です。活動はすべてボランティアとスポンサーの皆さんによって支えられています。学生ボランティアは病院に行って医師や看護師の手伝いをしたり、学校に行って子供たちに勉強を教えたり、村に行ってお母さんにマイクロクレジットについて教えたり、衛生とは何かについて教えたりと、様々なことができます。スポンサーになった子供と実際に会うこともできます。皆さん、ぜひコルカタに来て、私と一緒に子供たちとお母さんたちを貧困から高みに上げ、知識を授けましょう。IIMCの門はいつでも開いています。またコルカタで会いましょう。今日は来てくれてありがとう。

 

IIMCのホームページ:https://iimcmissioncal.org/

 

 

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