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おいしいコーヒーができるまで
(株)坂ノ途中:メコンオーガニックプロジェクト
~100年先も続く豊かな森をラオスから~

学生レポーター 松本和也

取材・文責:学生レポーター 松本和也

 

 

2年程前からコーヒーにはまり始めた私は、国や地域、農園ごとに異なる個性豊かなコーヒーの面白さの虜になっています。ある日、コーヒーショップでのイベントにて「100年先も続く、農業を」というコンセプトを掲げた(株)坂ノ途中さんの「メコンオーガニックプロジェクト」に出会いました。単にコーヒーをラオスの森でつくるのではなく、失われつつある豊かな森を、未来につなぐことに挑戦しています。おいしいコーヒーを作ること、森を守ること、そしてビジネスがどのようにつながっているのか、メコンオーガニックプロジェクト担当の安田さんに直接伺ってきました。

 

 

おいしいコーヒーができるまで 森でできるコーヒーは「甘い」!

メコンオーガニックプロジェクトは、ラオス北部地域の森の中でコーヒーを育てる方法をとりました。多くの手間と収穫量の問題から森の中でコーヒーを育てる例は世界的にも多くはないものの、プランテーション栽培よりもゆっくり育つため「甘い」コーヒーができるといったメリットがあります。スペシャリティーコーヒーと表現されるグレードまで持っていくためには、まずしっかり赤く完熟した実だけを選んで手摘みしていくことが求められます。完熟した赤い実、まだ完熟していない緑の実をいっぺんに収穫してしまえば時間かからず簡単ですが、それではクリーンなコーヒーにはならず、独特の個性を発揮することも難しいのです。果実を水洗い、果肉を除去し、発酵、乾燥・・・の工程を経てようやく出荷できるところまでこぎつけます。この地域の「ブランド」として築き上げ、選んでもらえる商品としての地位を確立していくために、今後も現地の人と共同で最高のコーヒーを作り上げていきます。

 

 

海外事業担当 安田 大志さん

コーヒーチェリーと呼ばれる果実

 

松本:
後日、実際に「ラオスの森コーヒー」を飲んでみました。初ラオスのコーヒーでしたが、しっかりしたコクの裏にほのかに甘みが抜けていく優しい味がするように感じました。さらに、今回初めて「カスカラ」、コーヒーチェリーティーにも挑戦しました。私たちが普段目にするコーヒー豆の外側、実の部分を乾燥させてお茶にしたものです。コーヒーチェリーはすごく甘くておいしいと聞いたことがあったので楽しみにしていたところ、乾燥したカスカラはプルーンのような香りがし、実際のお茶もほんのり甘酸っぱい味わいでした。おいしいコーヒーの裏側にあるストーリーがよりコーヒーに豊かさを加えてくれている、そんな気がしました。

 

 

ラオスの森コーヒー

カスカラティー

 

 

百年先も続く、豊かな森を未来につなぐために

ラオスでは伝統的に「焼畑農法」をしてきましたが、焼畑禁止区域の設定や人口増加に伴い焼畑のサイクルが早くなる等、少しずつ森がダメージを受けています。このことは、現地の農家さんたちも実感していて、農作物の収穫にも影響が出てきているそうです。 
メコンオーガニックプロジェクトでは、焼畑に代わる農法として「森をつくる農業」ともよばれるアグロフォレストリー*の考え方を導入しました。ラオスのこの地域では、森の中で果樹とコーヒーを栽培・共生させることで収益を確保し、森を育てていく狙いです。
ラオスでの成功をモデルケースにし、広くアジアに広めていくために、今なお農家さんとの共同作業が続いています。果樹がつくる日影がよりコーヒーを美味しくするといった質の向上、様々な作物栽培によるリスクヘッジ、森の生態系のスムーズな循環など、多くの改善が期待されています。

 

 

ラオスの山間の景色

森の中で栽培するコーヒー

 

「環境負荷の小さい農業を実践する農業者を増やすこと」を目指す (株)坂ノ途中。国内での展開から、世界にも舞台を広げ、ラオスでのメコンオーガニックプロジェクトがスタートしました。途上国にはまだ残っている、先進国が失ってしまったもの。「残っている宝を残したい、そんな思いもあります」と担当者の安田さんは言います。
安田さんには、農業のバックボーンがあったわけではありません。大学生時代に訪問したインドで目の当たりにした貧困問題、スラム街で感じた発展のいびつさ。これらの社会問題を意識し始めました。その後、様々な活動に参加する中で、スラムに来る人のルーツである「農村」に解決の糸口があるのではないかと考えるようになりました。地方の農村での豊かな暮らしを守ることができる「農業」への関心が高まり、(株)坂ノ途中に出会いました。プロジェクトを進める中でたくさんの困難に直面しますが、同時に農業の奥深さを知り、「多くの新しい出会いに支えられてここまで来ています」と安田さん。
*アグロフォレストリー:樹木を植え、樹間で家畜・農作物を飼育・栽培する農林業。地域によって様々な形態がある。

 

 

現地での話し合いの様子

農業指導の様子

 

販売しているギフトセット

松本:
ラオス北部のロンラン村で実施中のこのプロジェクト。これをモデルケースに広くアジアの森を守る活動へと広めていく、そして、豊かな農村として未来のサンプルをして新しい発展の在り方を考える。このプロジェクトにはそんな思いが込められています。森と共に生活をしているロンラン村の住人は金銭的に裕福では決してないものの、森とともに「豊かに暮らす」術を知っています。豊かな森に加え、住む人たちの豊かな暮らしを未来に残していく、発展とともに多くの国が失ってしまったものを守っていく使命を担っているようにも感じました。

 

 

 

 

 

株式会社 坂ノ途中 http://www.on-the-slope.com/

メコンオーガニックプロジェクト http://www.on-the-slope.com/mekong

 

 

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