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世界が見えるトピックス 特集

意思決定の場に必要とされる女性の視点 後編 ~UN Women~

「世界が見えるトピックス」では、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)に注目していきます。今回は、SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」を詳しくご紹介。国連で唯一の女性問題に特化した機関である「UN Women」の日本事務所所長石川雅恵さんにインタビューし、ジェンダー平等をめぐる現状や、今後の展望などについてお話を伺いました。
【前編はこちら】(http://nantokashinakya.jp/sekatopix/article0179/

 

こちらの記事は、セカイプラス「MISSION17」企画第3弾とも連動。
やついいちろうさんと石川所長の対談はこちら▼
http://nantokashinakya.jp/sekaiplus/vol03_mission17/03/

 

 

UN Women 石川 雅恵 日本事務所所長

―前編(http://nantokashinakya.createch.jp/sekatopix/article0179/)では、UN Womenさんの2つの役割、5つの優先課題に加えて、「HeForShe」の運動についてもお伺いしましたが、それ以外にはどのような活動を展開されているのでしょうか?

UN Womenのもう一つの重要な活動としては、国連の各機関に対して、ジェンダーの視点を入れるよう横断的に働きかけていくことが挙げられます。つまり、国連が途上国に対して、インフラや教育、労働環境などを支援する際、私たちは、それぞれの分野の担当機関のなかで、女性の視点が反映されるようにコーディネイトするわけです。たとえば、都市計画を立てるにあたって、トイレを暗い場所ではなく明るいところに設置するということがジェンダーの視点を入れるということです。なぜならば、トイレに行くために真っ暗な道を歩かなければいけないとしたら、襲われる可能性が高いのは女性だからです。日本は基本的に平和な社会ですが、世界には不安定な状況で暮らしている人がたくさんいて、そのなかでも女性や女の子がターゲットになりやすい状況が数多くあります。そうした危険を少しでも減らすという意味でも、女性の視点を入れることは非常に重要だと考えています。
―大事なことですね。
また、途上国に限らず、日本でも、たとえば、東日本大震災のとき、女性のニーズがきちんと考えられていなかったから、女性が避難所でとても苦労したという話をたくさん聞きました。救援物資に水や食べ物、衣類はあるのに、生理用品がないといったような状況があったそうです。そうしたニーズは、女性の視点を入れていかなければわからないでしょう。つまり、あらゆる意思決定をする場に女性が入っていることが重要だと言えるわけです。逆を言えば、残念なことに、女性がいなければ、女性の視点が必要最低限の要素として入らないことが多いのです。
―おっしゃるとおり、意思決定の場に女性がいないことによって、見落とされることはたくさんあるような気がします。男性だけでは気づけないことが……。
そうなんです。けれども、それなら政策立案の場にとにかく女性を参加させれば解決するのかというと、もちろんそんな単純なものではありません。参加する女性が、政策立案できるような知識や経験を持っていることが必要ですから。そうすると、女性が男性と比べて、教育を受けられる機会が少ない国がいまだにたくさんあるという問題にもつながってくるわけです。
―たしかにそうですね。
日本でも、年配の方が中心の町内会では、何か取り決めするときに発言するのは男性ばかりだと聞きます。つまり、社会に出て働いてきて、人前で話すことに慣れている男性がどんどん意見を言う一方で、高齢の女性は、社会で働いたことがない方や人前で話すことに慣れていない方が多かったりするので、萎縮して発言できないらしいのです。つまり、ジェンダーの問題にとって、女性が人前で話すトレーニングや意見を言うための教育を受けられるように支援することも非常に重要だと言えるでしょう。
―ところで、「世界経済フォーラム」が調査する「ジェンダーギャップ指数」において、日本は2017年版で144カ国中114位でした。かなり低い順位だと感じるのですが、日本のジェンダーギャップについて、UN Womenさんとしてはどのようにとらえていらっしゃいますか?
先進国としてはとても低い順位で、しかも一昨年より下がったということもあって大きな話題になりましたね。ただ、順位はすごく低いのですが、きちんと中身を見る必要があるでしょう。「経済参画」「政治参画」「教育」「健康」といった分野があるうち、日本は、「経済参画」と「政治参画」が圧倒的に低い一方で「健康」はトップレベルです。また、男女共同参画基本法に代表されるような基本的な法律の枠組みは揃っていますから、極端に悲観する必要はないと思います。
―日本が、「ジェンダーギャップ指数」の順位を上げるためには、つまりジェンダー平等に近づくためにはどんなことが必要なのでしょうか?
「政治参画」についても「経済参画」についても、意思決定の場に入っていくことを望む女性、ディシジョンメーカーになりたいと考える女性を増やしていくことが必要なのではないでしょうか。そのためには、子供たちが憧れるような女性のロールモデルがもっと必要とされるような気がします。そういう意味でも、現在、「政治」や「経済」の分野で働いている女性の役割が非常に大事だと言えると思います。

Photo: UN Women/Deepika Nath

―なるほど。そして、さきほどの話ともつながりますが、世界を見れば、「教育」「健康」の分野でまだまだ支援を必要としている国もたくさん存在します。
ええ。世界では、女性の3人に一人が暴力の被害者であり、1日1.25ドルで暮らす貧困層の70%は女性です。また、非識字者の60%以上が女性。妊娠・出産で、1日800人が亡くなっているうちの99%は、途上国で暮らしています。つまり、ジェンダーの問題は、「質の高い教育をみんなに」(SDGs目標4)や「貧困をなくそう」(SDGs目標1)とも密接に関連していますし、そもそも、SDGsのすべての分野において、女性は非常に重要な役割を担っており、多くのターゲットが、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを目的、および解決策の一部と捉えています。そうしたなかで、女性と女児のためのグローバルな支援者として活動しているのが、UN Womenなのです。
―UN Womenさんの重要な役割がよくわかりました。本日は、ありがとうございました。
 

 

 

 

 

 

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