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世界が見えるトピックス 特集

Because I am a Girl 女の子「だからこそ」できることがある! 前編

「世界が見えるトピックス」では、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)に注目しています。今回は、途上国51カ国で子どもとともに地域開発を進める国際NGOプラン・インターナショナルをご紹介。広報ご担当の平田泉さんに、団体の理念や活動内容、そして、Because I am a Girlキャンペーンなどについてお話をお伺いしました。

 

 

 

―プラン・インターナショナル(以下、プラン)さんは、「教育」「保健」「性と生殖に関する健康と権利」など8分野においてさまざまな活動を展開されています。まずは、どのような特徴を持つ団体なのか教えていただけますでしょうか。

私たちの活動の最大の特徴は、子どもを含め、現地で暮らす住民の能力向上を促進することによって、自助努力でその地域を発展させることができるよう支援するところにあります。そのため、ただ一方的に「与える」「施す」支援を行うのではなくて、5〜10年の長きにわたって現地に拠点を置き、地域が抱える問題の認識から活動の計画立案、実施、事後評価まで、すべてのプロセスに地域の住民、特に子どもたちを巻き込んで活動を行なっています。
―そうすることで、「地域の自立」を促しているわけですね。その際、子どもたちを巻き込んでいくと。
はい。私たちの活動の最大の特色は、「子どもとともに進める地域開発」という手法です。これは、あらゆる活動に、子どもの関与を促し、彼ら彼女らの意見に耳を傾けることで、子どもが主体性を持って、地域のなかに存在できるようにすることを目指すものです。
―ともすると、子どもは、「未熟で判断能力が無い」とか、「大人の意見を聞くべき」と押さえつけられてしまう部分もあるかと思うのですが、子どもの意見を大切にされているというのはどうしてでしょうか?
次世代の担い手である子どもたちのエンパワーメントが、地域の持続可能な発展への最大の近道であるということは、プランが1937年に活動を開始して以来、知見として積み重ねてきたことです。そして、それは、私たちが、メディアへの情報発信において、子どもの悲壮な状況をアピールするのではなくて、あくまでも、ポテンシャルを秘めた子どもの姿、ポジティブな表情を前面に出していることにもつながっています。

@プラン・インターナショナル

―たしかにポジティブな表情ですね。また、今のお話を伺って、子供たちがプランさんから受けた教育を家庭に持ち帰ることで、家族の意識まで変わっていくのかもしれないなと思いました。

そうした変化は、実際にさまざまな局面で起こっています。たとえば、保健衛生の分野では、私たちがいくらトイレを設置しても、それを使ってもらわなければ屋外排泄の問題は解決できないわけですが、学校で保健衛生教育を受けた子どもたちが、その知識や行動を各家庭に持ち帰って、家族や近所の住民たち、ひいては地域全体に広げていくという流れがあります。
―それはいい形ですね。
私が以前に訪れたバングラディッシュのある村では、子どもが屋外排泄の監視役を務めていました。大人が屋外で排泄する現場を見つけた場合に、笛を鳴らして注意したり、意識啓発のため現場に旗を立てたりするのです。そうした役割を持つことによって、子どもに責任感や参加意識が芽生えるとともに、子どもに指摘される大人の側にもトイレを利用しなければ、という考えが浸透するんです。
―そうした活動は、SDGsでいうと、「目標6:安全な水とトイレをみんなに」であり、「目標4: 質の高い教育をみんなに」に当てはまりますね。プランさんの活動は非常に多岐にわたっていますが、SDGsのなかでとくに注力している分野を挙げるとすれば、どの目標でしょうか?
もちろんすべての活動に力を注いでいるのですが、あえて挙げるならば、今お話ししたような「教育」と、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」と言えます。もちろんそれは、目標1「貧困をなくそう」をはじめ、他の目標とも密接に関連しているのですが。
―目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に対する活動についても教えてください。
子どもたちの中でも、とくに女の子は、途上国の中で弱い立場に置かれています。私たちは、女の子に対する差別を是正し、男の子と同等の地位にまで高めることによって、より効果的に地域全体の改善を進められると考えています。それが、Because I am a Girlキャンペーンにつながっているのです。
―「Because I am a Girl」は日本語にすると、「女の子だから」ですね。
はい。この言葉が生まれたのは、2004年に、ドイツ人ジャーナリストが、私たちの活動を取材するためにネパールのある村を訪ねたことがきっかけでした。ジャーナリストは、きちんとした身なりで学校に通う男の子と、みすぼらしい格好をして学校に通わせてもらえない女の子の姿を目の当たりにし、その差に愕然としたそうです。そして、その母親に、「どうして男の子は元気で制服を着ているのに、女の子は暖かい服を与えられずやせ細っているのですか」と尋ねたときに返ってきた答えが、「だって、あの子は女の子だから。(Because She is a Girl)」だったんです。その言葉を聞いてショックを受けたプランの職員が、2007年に立ち上げたのが、Because I am a Girlキャンペーンです。

 

―やはり途上国にはまだまだそういう状況が多々あるんですね。

そうですね。世界的にはやはり、男の子が優先されて、女の子は十分に教育を受けさせてもらえないことが多いです。そうした状況では、女の子が適切な収入を得られる仕事に就くことができません。また、「女性は家事、育児をする」という男女の意識から、無償の家事労働のような役割を押し付けられてしまっています。あるいは、家計の負担削減の手段として早すぎる結婚を強いられて、10代前半の未熟な体にも拘らず妊娠してしまったり……。さらに、アフリカや中東の一部地域では、女の子や女性の権利侵害につながる女性性器切除がいまだに行われているのです。
―女性性器切除……。
ただ、女性性器切除は、大人の女性になるための一種の通過儀礼として深く地域に根付いている慣習でもあるため、支援国側の考えを一方的に押し付けるような形では、解決が難しいわけです。やはり、女の子と、その周りの男性も含めた地域の住民たちにその有害性を理解してもらわなければなりません。そのためには、まずは信頼関係の構築からはじまるので本当に長い時間がかかるのですが、私たちは、現地の人々の尊厳や考えを尊重して、彼らに受け入れられやすい形で活動することが重要だと考えています。
―時間はかかっても、それが一番の近道なのかもしれませんね。
ええ。そして、もちろん、私たちは学校建設のようなハード面での支援も行う一方で、途中で学校を辞めざるを得なかった若い女性たちを対象とした就業支援などのソフト面のプロジェクトも実施しています。ベトナムのハノイでは、ネイル等の美容系のスキルトレーニングを実施しました。他にも、ホテルで働くために必要なホスピタリティの講習や、男の子と同様に自動車整備工といったメカニックのトレーニングも手がけています。
―なるほど。
また、地域の女性による貯蓄貸付組合を組織し、彼女たちが、そこからお金を借りて、起業家として事業を立ち上げることができる仕組みをつくる支援も行っています。その際、不正が起こらないようにお金の管理はきっちりとモニタリングしつつ、私たちが活動を終えた後でも、彼女たちが自力で運用していける体制づくりも意識しています。あらゆる活動において、プランはローカルリソースの最大限の活用を優先課題としていますから、なるべく外部の人には頼らず、その地域の人々のなかで指導者や管理者を育成し、持続可能性を確保できるようにしています。

 

 

 

 

 

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