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世界が見えるトピックス 特集

余った食材、おいしく変身! 後編 〜一般社団法人 フードサルベージ〜

「世界が見えるトピックス」では、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)に注目しています。今回は、SDGs目標12「つくる責任つかう責任」、目標2「飢餓をゼロに」等に関わる「フードロス」の問題を詳しくご紹介。”冷蔵庫に余った食材、おいしく変身!”をコンセプトに、家庭のフードロス削減に取り組んでいる「一般社団法人 フードサルベージ」の代表理事 平井巧さんにインタビューし、「サルベージ・パーティ」について詳しくお伺いしました。
【前編はこちら】(http://nantokashinakya.jp/sekatopix/article0184/

 

こちらの記事は、セカイプラス「MISSION17」企画第4弾とも連動。
いちろうさんとYouTuber岡奈なな子さんのコラボ動画はこちら▼
http://nantokashinakya.jp/sekaiplus/vol03_mission17/04/

 

 

―2013年からサルベージ・パーティの開催をはじめて、約5年。その間にSDGsも採択され、「フードロス」「食品ロス」という言葉も広がってきたかと思います。変化は感じますか?

そうですね。SDGs同様、いま多くの方が、「フードロス」や「食品ロス」といった言葉をなんとなく聞いたことがあるというくらいのレベルにはなってきているかなという印象です。ただ、それにたいして、「なにをすべきか」はわからない方がほとんどなのではないでしょうか。それを知るためにサルパに参加してくださる方も増えてきています。
以前は、サルパ※にきてくださる方は、大きく二つのタイプに分けることができました。一つ目は、フードロスに高い関心を持っている大学生や若手の社会人。勉強のために参加してくれるというパターンです。もう一方は、60代の主婦の方々ですが、彼女たち自身は、フードロスという言葉は知らないんです。だけど、知らないんだけど、「どうやら自分が持っていった食材を、シェフが美味しく料理してくれるらしいよ」という話を聞いて、興味を持ってきてくださるという。僕は後者もすごくいいなと思っていて。フードロスを意識しなくても、結果として、フードロスを生まないようになれば素晴らしいことですよね。いまでもその二タイプの参加者が多いですけど、最近は、SDGsの文脈で、社会課題を意識してきてくださる社会人の方も増えていますし、闇鍋感覚で、エンターテインメントとして参加してくださる若者も大勢いらっしゃいます。
―いいですね。
ただ、僕は、それが一過性の「流行」にならないように気をつけなければ、と考えています。イメージとしては、エコバッグのような形で浸透するのが理想的なんです。エコバッグって最初は、エコに意識の高い方が使っていたアイテムでしたけど、今やエコの概念を離れて、お洒落さや使いやすさ、リーズナブルな価格を理由に持っている方が多いですよね。そうなってくると、企業の側も、レジ袋を有料化するといったアクションがしやすくなってくるわけです。だけど、市民に浸透する前にレジ袋が有料化されたとしたら、「そんなスーパーには行かない」という話になってしまいかねない。フードロスに関しては、いまはまだその段階なのかなと感じています。
―意識が浸透すれば、フードロスの少ない企業に支持が集まるかもしれないですよね。
そうですね。ただ、僕が流通業界のある大手企業のCSRご担当者にお話を伺ったところ、フードロスの取り組みについてアピールするのはもろ刃の剣だとおっしゃっていました。努力してロスを減らしたとしても、逆に、そもそも公表していなかった廃棄量の多さに注目が集まってしまうので。だから、そこは非常に難しい問題です。

―たしかにそうかですね。では、平井さんご自身がサルベージ・パーティを主催していくなかで感じる難しさや課題はどんなことがあるのでしょうか?

山ほどあります(笑)。まずそもそも、「フードロス」という言葉自体が、一人一人にとって捉え方の違う言葉ですから。とくに家庭のフードロスについては、たとえば、バナナの皮に黒い斑点がいっぱいできたときに、もう食べられないと考える人と、熟してきて美味しいと感じる人がいますよね。もちろんそこに「正解」なんて存在しないわけです。僕たちが情報発信する際は、そういったバランスを常に意識しています。
―たしかにそうですね。しかも、極端な話、フードロスを減らそうとして腐ったものを食べてお腹を壊したら本末転倒ですし。
本当にそうなんです。たとえば、消費期限が一日くらい過ぎてもきっと大丈夫だろうと僕たちは思うんですけども、そういった問い合わせを受けても、実際にその食材を見なければなんとも言えないわけです。万が一問題が起きた場合、責任がとれないですし。そうすると、僕たちも安全なことしかお伝えできないので、なかなか踏み込んだ提案ができないというジレンマはあります。
―SDGsもそうですけど、なかなか一つの正解というのは出しづらいものですよね。だからこそ考え続けていくことが大事なのでしょうが。続いては、平井さんご自身のお話も伺っていきたいのですが、平井さんは「トータルフードプロデューサー」という肩書きを持っていらっしゃいます。そもそも仕事として食に携わるきっかけどんなことだったのでしょうか?
いろいろな要素があるなかで、ひとつ挙げるとすると、大学時代の四年間を過ごした新潟での経験が大きかったかもしれません。僕は東京生まれ、東京育ちで両親も東京なんですけど、新潟で暮らしてみて、いままで東京で飲んでいた水はなんだったんだというくらい水が美味しかったり、食べ物もものすごく美味しくて驚いたんです。その実感があって、食にまつわる仕事をしたいなとぼんやり考え出したのだと思います。

―なるほど。

ただ、大学卒業後は東京に戻って、広告代理店に入社したんです。そこで営業をやって、そのあと、IT業界に転職したんですけど、食に関わる仕事をしたいという思いはずっと変わらずに持っていました。それで30歳手前で独立を決意したわけです。会社員時代に、様々な業界の方と話をしていくなかで、各業界それぞれに色々な課題があって、その解き方や予算のかけ方、進め方、スケジュール感も業界ごとに全然違うなと感じていました。それでやっぱり自分は、食の分野で、わかりにくいことをわかりやすく伝えたいと思ったことが大きかったような気がします。先ほどお話ししたフードロスも含めて、食の分野は人によって善悪が異なるため、なかなかメッセージの伝え方が難しいわけですが、それをわかりやすく伝えるということが、どうやら僕のやりたいことだと自覚して。
―それでは最後に、平井さんご自身と「フードサルベージ」の今後の展開や目標について教えてください。
「フードロス」や「食品ロス」という言葉は、注目度は変わっても、今後もきっとなくならないでしょう。そうしたなかで、僕たちは、サルベージ・パーティというコンテンツからスタートしたわけですが、もちろんそれは継続、拡大していきつつ、第二、第三のコンテンツを作っていきたいなと考えています。
―どういうことでしょう?
たとえば、フードロスを楽しみながら知ることができるようなものをイメージしています。料理や食事のできない場所でも体験できる、食材の描かれたカードを組み合わせて自由にレシピを考えてみようといったゲームや教材だったり。あるいは、それは、エコバッグやクールビズのようなアクションなのかもしれませんが、とにかく、フードロスに関することで、普通に世の中に浸透するようなものを仲間とともに生み出せたら嬉しいなと思っています。
―ありがとうございました。

 

※サルベージ・パーティ

 

 

 

 

 

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