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世界が見えるトピックス 特集

楽しく、美味しく海を守ろう! 前編~さかなクン×イヴォーン・ユー(国連大学IAS研究員)~

持続可能な漁業資源の活用や、海の環境保全を考える日として、6月8日はWorld Oceans Day(世界海洋デー)と定められています。SDGsでも「海の豊かさを守ろう」が目標とされているように、人間にとって非常に大切な海には、大きな課題も存在しています。今回、なんプロでは、学生レポーターの鎌倉眞子さんが、World Oceans Day当日に開催されるイベントに出演する海の重要人物お二人に直撃。なんプロサポーターであり、おさかな博士として活躍するさかなクンと国連大学IAS-OUIK研究員のイヴォーン・ユーさんに、イベントの見どころや海への思いについてたっぷりとお話しいただきました。

 

 

鎌倉:
いま世界の海や日本の海ではどんな問題が起きているのでしょうか?
イヴォーン:
まず、地球温暖化の影響がみられます。海水温の上昇によって、生物の分布に急激な変化が起こり、本来その海域に生息しているべき魚がいなくなり、いないはずの魚がいるといった状況が発生しているんです。
さかなクン:
はい。以前は海藻の森が広がっていた温帯域で近年、海藻に変わってサンゴが増えてしまっていることが挙げられます。その結果、温帯域で暮らす生物層も変わってきてしまい、漁師さんがそれまで漁獲対象としていないお魚も網の中にたくさん入ってくることもあるのです。なんと、房総半島の館山の海では時に、沖縄県の県魚として“ぐるくん”の名で有名なタカサゴ類が定置網にたくさん入ることがあります。ぐるくんは美味しいんですけど、東京では食べる文化がないので、食用にならない「未利用魚」になってしまいます。もったいないです。
イヴォーン:
漁師さんたちは、商品として流通していない魚が獲れてしまうと、海に戻します。そうすると、ますます未利用魚の割合が増えていきます。一方で、商品となる魚が減少していれば、漁師さんたちの生計にも影響が出てしまうわけです。

さかなクン:
ですから、せっかく獲れたのに活用されないお魚を、今後どうしていくかという問題もありますね!
イヴォーン:
海の環境が変わったときに、私たちがどういう風に対応するのかを考えることはとても重要ですね。いまの話で言えば、消費者が、東京でグルクンを食べるようになれば、つまり、私たち人間が一つ習慣を変えるだけで、ある意味では、気候変動に対応できるのだと言えるのかもしれません。
さかなクン:
はい。ありがたくいただきたいと思います。
鎌倉:
私たちの心がけひとつで……。
イヴォーン:
そしてまた、海への影響は、自然からのものだけではなくて、人的な原因も大きいんです。いま、プラスチックのゴミによる海洋汚染が非常に深刻です。さらに、そのプラスチックがマイコロプラスプラスチックとなり魚たちが食べてしまったり、海の生物が誤って飲み込んで窒息してしまったり……。
さかなクン:
はい。各地の海を訪れますと、プラスチックゴミなどが非常に増えていると感じます。海岸線も、実際に海に潜っても目にします。深海の映像を見ても、びっくりするくらいゴミが多いんです。
イヴォーン:
実は海中にあるプラスチックの8割以上は、陸で捨てられたものです。陸から、風や雨でやがて海に流されて溜まっているわけです。だから、私たちは、海にゴミを捨てなければ大丈夫ということではなくて、陸でプラスチックの利用を最小限にするという意識も必要です。
鎌倉:
そういった状況のなかで、イヴォーン先生は、「里海」という概念を提唱していると伺いました。「里海」とはどういうことなのでしょうか?

イヴォーン:
「里海」は、陸と海のつながりを重視し、かつ、その土地で暮らしている人々の生活や文化を尊重した資源の利用、環境の保全を指す言葉です。もともと日本発祥の概念で、たとえばその事例として、日本独自の伝統的な漁法である定置網が挙げられます。
さかなクン:
いま、最新の技術を使われる様々な漁法もありますが、効率良く漁獲できるため、資源の枯渇につながってしまうのですね。だけど、伝統的な定置網漁法は、入網した魚類の多くは、網の外に出ていき、その結果、群れ全体の2~3割程度しか漁獲しないと言われます。まさにサステナブル。かつ、網が広大で、海藻や貝殻などもつき、稚魚や幼魚の育つ場ともなります。つまり、生態系のようにもなっているんです。
イヴォーン:
本当に、定置網は一つの生態系、まさに「海のゆりかご」と言えるでしょう。しかも、漁師さんは、最終的に「金庫」と呼ばれる網に入った魚を獲るんですけど、「今日はこのお魚が多いな」という日には、そのなかの一部を別の網に一時保管して漁獲量を調整することで、獲り過ぎないわけです。定置網には、日本人の海の生物を大事にする精神が詰まっていると思います。これこそが里海の漁法。ですから、私たちは、そういった伝統的な漁法を再評価する必要があると考えています。

 

 

 

 

 

イベント情報 さかなクンとイヴォーンさんが登場します!

「日本から考えるSDG14:海の豊かさを守ろうシンポジウム」
日時:2018年6月8日(金)16:00-18:00
場所:国連大学本部3F ウ・タント国際会議場
言語:日本語(英語への通訳はありません)
参加費:無料
締切:2018年6月7日(木)
申し込み:https://jp.unu.edu/events/upcoming/worldoceansday-symposium.html#overview

 

 

 

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