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世界が見えるトピックス 特集

あなたのひとつの行動で、誰かを幸せにすることができるかもしれません 〜EARTHRISE 小幡星子さん〜 前編

買い物をする際、その商品やサービスが「フェアトレード」であるかどうかが、選択の大きなポイントになりつつあります。途上国で作られるものを適正な価格で購入することで生産者のみなさんの生活を支援する仕組みは、数多くの団体や企業に採用されています。今回の世界が見えるトピックスでは、エシカルジュエリーに注目。エシカルジュエリーブランドEARTHRISE代表でデザイナーの小幡星子さんにインタビューし、その活動内容からフェアトレードに込めた想いまで、たっぷりとお伺いしました。

 

こちらの記事は、セカイプラスとも連動。
柴田紗希さんによるEARTHRISEレポート動画はこちら▼
http://nantokashinakya.jp/sekaiplus/report03/

 

 

―はじめに、小幡さんがエシカルジュエリーブランド「EARTHRISE」を立ち上げた経緯を教えてください。
EARSERISEを立ち上げたきっかけは、大きく3つあります。

 

一つめは、5歳の時にもらったお年玉の半分を寄付したことです。母から、世界には、貧しいために学校へ通うことが出来ず、満足な食事を摂れずに栄養失調になったり、病院で適切な治療を受けられずに死んでいったりする同じ年頃の子どもたちがたくさんいることを聞き、大きなショックを受けました。そして、「あなたがもらったお年玉で、同じ年頃の子供たちを助けることが出来る。だから、お年玉の半分を寄付してみない?」と母に提案され、このお金で救える命があるなら、と喜んで寄付をしました。以降、毎年お年玉の半分、もしくは全額を寄付していました。
また、できるだけ物を大切に使うよう心掛け、サイズが小さくなった洋服や使っていない文房具は、定期的にダンボールに入れて、途上国に送っていました。小学生の時には、当時国連でご活躍されていた緒方貞子さんをテレビで拝見していたこともあり、将来は国際協力に携わる仕事がしたいと考えるようになりました。

―それが一つめですね。二つめはどんなことでしょう?
二つめのきっかけは、中学一年の時に母から譲り受けた祖母の形見の指輪でした。プラチナの指輪にダイヤモンドが一列に並んでいるデザイン。傷だらけで、ひどく変形もしていて、おまけにダイヤモンドはまったく輝いてなかったので、譲り受けても、正直嬉しくありませんでした。けれど、「この指輪は祖母が死ぬまで身に付けていたものだ」と聞かされてから、もう一度じっくり指輪を眺めてみると、祖母の指の形に指輪が変形していたことや、ダイヤモンドが輝いていなかったのは、汚れが付いていただけだったことが分かりました。その時、ジュエリーは着飾る道具なだけではなく、身に付ける人の物語や想いを反映するものなのだと感じたんです。幼少期から鉱物が大好きであったこともあって、以来、より一層ジュエリーに関心を持ちました。進路を考えていくなかで、ジュエリーデザイナーになりたい! と母に言ったこともありましたが、そのときは、「ジュエリーのお仕事で生きていけるほど世の中甘く無い、地に足をつけて生きなさい!」とダメ出しをされて。ジュエリーの夢は一旦諦めていました(笑)。
―そこからさらに3つめのきっかけが?

その後、国際関係や各国の文化を学べる大学へ進学し、国際交流のボランティアをしていた時に知り合ったフィリピン人の友人の言葉が3つ目のきっかけでした。その友人と打ち解けてきた頃に、「実は、途上国支援などの職に就きたいと考えている」と話したら、友人の態度が一変したんです。「なんで先進国の人はモノやお金をくれるの?自分たちはそんなものは欲しく無い。本当に欲しいものは、公平なビジネスチャンスだ!なんで同じ人間なのに憐れまれなくなくちゃいけないんだ!自分たちにだって能力があるのに、生まれや宗教で差別される。どんなに頑張っても這い上がれない。悔しくて仕方がない」って。その時、心のどこかで途上国の人を助けて「あげたい」と思っていたことを恥ずかしく感じました。もちろん支援は重要です。ただ、一方で、彼らと同じ立場で一緒にビジネスをしていくことも大切なんだということにも気づかされました。それからは、ビジネスを通して幸せな循環を作り上げたいと思い、どの分野で起業すべきか考えるようになりました。

―そこからどのようにジュエリーの道にたどり着いたのでしょうか?
大学卒業後は、様々なジャンルを勉強しました。どれも好きだけれど、どんなに辛くても続けていけるほどの情熱を持てるものにはなかなか出会えず、どうしようか悩んでいたところで、中学生の時の指輪の話を思い出しました。ジュエリーの素材の大半が途上国で採れていることや、職人だった祖父のように、伝統技術を残したいという想いも重なり、これしかない、と、ジュエリーの学校へ通い、ジュエリー業界へも転職し、「EARTHRISE」を起業したんです。
―そうした熱い想いを込めて立ち上げたEARTHRISE。現在、取り組んでいるフェアトレードはどのような仕組みなのでしょうか?
まず、従来のジュエリー業界の流れには大きな二つの問題があると考えています。一つは、素材の流通経路が不透明なため、途上国で採掘や研磨に携わる人々が、どのような環境で働いているのか、適正な利益を得られているのかどうかが分かりません。そして、二つめは、ジュエリーの素材となるダイヤモンドやエメラルドといった宝石やゴールドが、反政府組織の武器購入の資金源となっている場合があるということです。一つ例を挙げれば、レオナルド・ディカプリオさん主演の映画「ブラッド・ダイヤモンド」(2003年公開)で注目されるようになった「紛争ダイヤモンド(=コンフリクト・ダイヤモンド)」の存在です。当時、内戦中のシエラレオネで、反政府武装組織がダイヤモンド鉱山を占拠し、採掘されたダイヤモンドで得た外貨を武器の購入に充て、内戦が長期化・深刻化していました。採掘場では強制的に連れてこられた人々が働かされ、非人道的な扱いを受けていたんです。他の国や地域でも、同様のことが行われています。私が起業したパキスタンでは、地元のエメラルド鉱山をタリバン(パキスタン・タリバーン運動)が支配していた時期がありました。その他にも、児童労働や環境破壊など、採掘現場だけでも様々な問題があります。
―EARTHRISEさんではそれらの問題にたいしてどのような取り組みを行なっているのでしょうか?

そのように採掘・研磨・制作されたジュエリーを消費者が購入することで、知らない間に途上国の人々を搾取するだけではなく、紛争や環境破壊にも加担してしまっているかもしれません。だからこそ、EARTHRISEは、今まで業界が行ってこなかった、素材の流通経路の透明化に注力しました。簡単に言えば、「新潟県の林さんが作ったお米」のように、採掘から制作までに携わる人たちが分かるようにすることです。EARTHRISEでは、実際に採掘現場まで通い、どのような人々がどのような環境で働き、対価を得ているのか、また、採掘された宝石を誰が研磨しているのか、徹底して調査を行い、鉱山労働者と宝石を研磨する職人へ適正な対価プラスαを支払っています。さらに、自然環境にも配慮して採掘すること、採掘後は、穴を埋めて植物を根付きやすくすることなど、地域ごとに環境に配慮した取り組みを行っている鉱山と取引を行っています。
さらに、ジュエリーをご購入いただいたお客様のお写真やお客様の声を、現地の人々へ届ける取り組みも行っています。今まで途上国の生産者たちは、自分たちが採掘・研磨した宝石や貴金属がどのようなジュエリーになり、どのようなお客様が身につけているのかを知りませんでした。お客様の声を生産者に伝えることで、彼らはお金にはかえられない達成感や幸福感といったものを味わうことが出来るようになりました。

 

 

 

 

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