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【被災地の農業支援】農業収入が1.7倍まで増加した、<br />タイ・5年間の軌跡

【被災地の農業支援】農業収入が1.7倍まで増加した、
タイ・5年間の軌跡

2004年12月に発生したスマトラ島沖地震・インド洋大津波を受けて、国際連合食糧農業機関(FAO)では日本政府の支援のもと、2006年からタイ、モルディブ、インドネシア、スリランカの4ヵ国で、農林水産業の災害復興支援事業を展開しています。

 

タイのパンガー県は津波で大きな被害を受けたため、FAOの復興事業としてレタスの水耕栽培施設のほか、タネや肥料、販売用の包装ビニール袋などの提供、さらに農業の技術指導が行われました。

 

プロジェクト発足当時の2006年と比べると、本地区の農民グループのメンバーは18名から34名に拡大し、1人当たりの手取り額は5年間で1.7倍に増加しました。農業の施設数も5年間で18から64まで拡大しましたが、ここで特に注目すべきは、施設の一部は農民グループが野菜を売ったお金で建てたことです。自分たちで農業を行い、その売り上げで施設を作り、発展させていく。これこそが、持続可能な農業支援のカタチであるといえるでしょう。

 

レタスの主な出荷先は10-30km圏内の地元市場ですが、最近ではプーケットを訪れる外国人観光客向けリゾートホテルへの出荷にも成功しています。また、このグループの水耕栽培野菜はタイ農業・農業協同組合省によるQマーク(安全品質認定証)の認証を受けています。さらに2010年8月には、本地区の農民グループが地方レベルの最優秀野菜生産者として表彰されました 。こうした取り組みにより、農林水産業と農民の生計が一日も早く回復することが期待されています。

 

 

「Save and Grow(節約しながら栽培する)」 とは?

 

1960-1990年ごろに開発途上国で起こった「緑の革命」は、たくさん収穫できる品種を導入したり、化学肥料を大量投入したりして農作物を大量生産することが可能になりました。人口増加を支えてきたのは、この大量生産のおかげです。けれど、多くの国々では、農薬や化学肥料による水や土壌、品種への影響など、さまざまな課題も残っています。

 

今後も人口は増え続けるため、開発途上国の農民は食料生産を増やしていく必要がありますが、食料生産を増やすということは土地、水、エネルギーなどをさらに得なければなりません。

 

FAOは、持続可能な農業の強化――資源を守り、環境への負荷を減らし、天然資本と生態系を上手に利用して、同じ土地面積からより多くを生産する――という新しい発想を提唱しています。具体的には、「農作物と品種」、「農業システム」、「水管理」、「土壌の健全性」、「植物防疫」、「政策と制度」を改善していきます。

 

今後15年先を見据えたFAOの目標は、開発途上国に対して、「Save and Grow―持続可能な農作物生産の強化―」を目指した支援をすることであるとしています。

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