• なんプロとは?
  • 世界が見えるトピックス
  • 著名人一覧
  • アクションから選ぶ
  • アジア
  • 大洋州
  • アフリカ
  • 中米・カリブ
  • 南米
  • 中東・ヨーロッパ
  • メルマガ登録

世界が見えるトピックス 学生レポーター企画

押切もえさん突撃取材!地球ひろばイベントインタビュー

押切もえさん突撃取材!地球ひろばイベントインタビュー

 今回お話を伺ったのは、ファッションモデルであり、2012年6月に「なんとかしなきゃ!プロジェクトメンバー」としてブータンを訪れた押切もえさんです。もともと押切さんが国際協力に関わるきっかけとなったのは、環境省の環境保全プロジェクトなんだとか。
 そんな中、ブータンが環境保全に力を入れていることや東日本大震災の時にブータン国王夫妻が被災地を訪ねてくれたことに感激し、ブータンに行くことを決めたそうです。

―ブータンに行く前と後で、電気に対する意識が非常に変わったという押切さん。ブータンで、いったいどんな経験をされたのでしょうか?

押切:日本では「スイッチを押せば電気がつく」、「蛇口をひねれば水が出る」のが当たり前ですよね。東日本大震災のことがあったので節電は大事だなとは思っていたんですが、ブータンに行ってからそれを再認識しましたね。日本の街にはいかに煌々と明かりがついているのかを実感したんです。ブータンの場合、都市部にはインターネットが普及しているものの、農村部はまだ電線も通っていない地域がほとんどです。だから、農村部は自家発電が多かったですね。でも、私が訪れた村は標高が高くて四六時中雨が降り続いているようなところで、太陽光発電での電力がほとんど取れないんです。そういう背景もあって、ブータンの人たちはみんなで電気を分け合って暮らしていました。でも、ブータンに行ってからは電気がなくてもいいと思うようになりました。光のない時に見える月や星はすごくきれいで、とても感動したんです!電気は便利ですし、防犯の意味でも必要なものですが、日本に帰ってからはケチケチ消すようになりました。他の人から見たら、消しすぎじゃないかと思われるぐらい消してますね(笑)

―ブータンでただ1人、外国人で「ダショー」の称号を授与された日本人がいるのをご存知ですか?
(※ダショーとは、「最高に優れた人」の意味で、ブータンでは最高の栄誉だそうです。)
 今ではブータンで知らない人はいないと言うほど有名な日本人…それは、西岡京治さんです。西岡さんは1968年に要請を受けてブータンに渡った後、以後28年間にわたってブータンの人々に農業指導を行いました。西岡さんの信念は「身の丈に合った開発」。ただ日本式の農業方法を押し付けるのではなく、ブータンの土地や文化に合わせた指導を行いました。時には800回を超える話し合いを行い、ブータンの人々を説得したこともあったそうです。そんな西岡さんの指導によって農作物の生産力が飛躍的に増大し、村の人々の暮らしも安定するようになりました。そしてその農業貢献が評価され、1980年に国王から「ダショー」の称号を授かりました。1992年に病気で亡くなった後もダショー西岡の愛称でブータンの人々に親しまれています。
 押切さん自身も、ブータンに訪れてみて、西岡さんの偉大さを目の当たりにしたそうです。

押切:天候や標高など日本とは全く環境が違う場所で、“ブータンの農業の父”と言われるところまで農業をあれだけ発展させることができたのは、本当に素晴らしいなと思いました。そして西岡さんが亡くなられた時も、ブータンの方たちが大きなお墓を建てて、今もそのお墓にお参りをする方がいるというエピソードを聞いて、すごく感謝されているんだなと思いました。国際協力は継続するのが難しいと言われていますが、西岡さんという1人の日本人とJICAが協力してどうにかしようという思いで行ってきた活動が、これだけ他国の人々の生活まで、もっと言えば歴史さえも変えることができるんだということをすごく実感しました。

―ブータンは「幸福の国」として有名ですよね。一方、日本は先進国の中で最下位といわれるほど国民幸福度が低いのが現状です。日本が幸せになるために足りないものって、何でしょうか?ブータンに行ったからこそ感じた、押切さんなりの幸福の概念を語っていただきました。

押切:「幸せ」って“感じるもの”であり“気づくもの”だと思うんです。“見つける”とか“探す”とか、よくそういう表現がされることもありますけど。でもブータンの方たちはそうではなくて、身近にある小さなことでも、それをきっと「幸せ」だと思っているんだなと感じました。日本という先進国になるとものもいっぱいあって、豊かなのでマイナスのほうに目が向くことが多いですよね。特に、仕事のことやお金のことなどに関して。でも、日本人はもっと自分たちの「幸せ」に気づいてもいいのかもしれません。ブータンに行って、私自身も幸せに対する考え方が少し変わりました。忙しい時には「仕事があって幸せだ」と思うようになり、「ごはん一粒がおいしい」などちょっとしたことに幸せを感じるようになりました。また、ブータンの子どもたちやおじいちゃん、おばあちゃんの笑顔を見て、“笑顔”というものがこんなにも人の心を癒す力を持っていることに気づくことができました。ブータンから帰ってきてからは、日頃から笑顔を“発信すること”をより一層心がけています。

―なんとかしなきゃ!プロジェクトのメンバーとして、今まで熱心に国際協力活動に関わってきた押切さん。今後はどのように国際協力と関わっていこうと考えられているのでしょうか。

押切:私のやったことと言ったら、ただブータンに行って、その経験を伝えただけなんですが・・・。でもそれを何年もかけて、みなさんの耳にも届くように活動していただいているJICAさんに、まず感謝を申し上げたいです。今回のトークショーやこの取材についてもそうです。これからも、自分ができることで国際協力に関わっていきたいと思っています。自分にも何か伝えられることがあるかもしれないと思うので、“発信すること”に重きを置いて、活動していきたいと思います。国際協力というと、崇高なものに思えるかもしれないけど、そんなことは全然ないですよね。大きな行動を起こさなくても、ちょっとずつ自分にできることをみんなが続けていければいいんじゃないかなと思います。

―トークショーの中でも、「小さいこと」から国際協力を始めてみることを積極的に呼びかけていた押切さん。最後に、これから国際協力に関わっていこうとしている人たち、また、もうすでに国際協力活動を始めている人たちに向けて、メッセージをいただきました。

押切:先日もあるTV 番組の中でブータンの特集をやっていて、お話しする機会があったんですけど、「実際に行って、見て、感じたこと」を話せるっていうのはすごく大きいと思います。これを読んで下さる方の中には、ボランティア活動など国際協力に関する活動を実際に行なってきた方もいると思うので、みなさんどんどん自分の見たこと、感じたことを発信してください。もちろん、これから国際協力活動に関わっていこうとされているみなさんもですよ。“発信する”ということが“つながる”ことの1つだと思います。日本の方が発信していたら、地の方たちもやっぱり嬉しいと思いますし。みなさんで、どんどんつながっていきましょう。

 今回押切さんに取材した場所は、2016年の今年に設立10周年を迎えた「JICA地球ひろば」です。
JICA地球ひろば広場の体験ゾーンには、常時様々なテーマの展示があります。
途上国の教育の仕方や、実態を知ることができる学びの場となっていますので、是非たくさんの人に足を運んでいただけたらなと思っております。

そして国際協力の重要性を、少しでも自分のこととして捉え、それぞれの立場でできる貢献の仕方で国際協力に参加する、そんな” きっかけ ”となれば素晴らしいですね!!!

学生レポーター 坂野晴子・斉藤万季
現地写真提供:丸山涼子(face to face)