お金がない!生活費に困った時の対処法や公的支援を紹介
「いつもお金がないから家計は毎月赤字だ」
「給料が下がってしまい生活が苦しい」
お金がない時、多くの人がまずは不用品を売ったり、消費者金融でお金を借りたり、副業をしたりするなどしてお金を手にしたり収入を増やしたりして自力で乗り切るために行動されるのではないでしょうか。
しかし現状から抜け出せず、どうしたらいいのかわからないと頭を抱え一人で悩んでいる人も多いでしょう。
そんな時は国からお金を借りられたり、給付金が受け取れるものがないかを検討してください。今の貴方の助けになる制度があるかもしれません。
また、借金がすでにあり、そのせいで生活が苦しいのであれば債務整理がおすすめです。返済負担を減らすことができる可能性があるので、現状よりも余裕のある生活を送れるでしょう。
この記事では、失業や減給などより生活に困窮している方に向けて、利用できる制度や支援、融資を中心に紹介します。
お金がない現状を突破する糸口が見つかるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
目次
お金がない時の総合支援資金は必要な相談支援と生活費が借りられる
失業や減収によって日常生活が困難な方は「総合支援資金」を利用して生活費や、一時的な資金が借りられます。
総合支援資金の相談や手続きは、市区町村の社会福祉協議会が窓口です。
総合支援資金にはそれぞれ使い道の違う、3つの貸付資金があります。以下に内容を簡単にまとめました。
貸付資金 | 使用使途 | 貸付限度額 |
---|---|---|
生活支援費 | 生活を建て直すまでに必要な生活費 | 二人以上の世帯:月20万円以内 単身者:月15万円以内 |
住宅入居費 | アパートなどの賃貸契約にかかる必要な費用 (敷金や礼金・入居して当初の支払いに必要な賃料や共益費、管理費・不動産仲介手数料・火災保険料・入居保証料など) |
40万円以内 |
一時生活再建費 | 生活を建て直すために一時的に必要で、なおかつ生活費ではまかなえない費用 (滞納している公共料金や家賃の立替費用・債務整理に必要な経費・転職や就職に必要な技能習得にかかる費用など) |
60万円以内 |
大切な税金が使われている公的制度ですので、貸付には厳正且つ慎重な審査があります。貸付には10日〜1カ月程かかり、原則、連帯保証人が必要ですが、なくても借りることができます。連帯保証人を立てることができた場合は無利子、連帯保証人なしの場合は年1.5%の利子です。
総合支援資金の貸付けの対象となるのは以下の条件にすべて当てはまる人です。
- 市町村民税非課税程度の低所得者世帯
- 必要な資金を他から借りることができない世帯
- 現在住居のある方(住宅確保給付金の申請を行い、住宅の確保が確実に見込まれる方も含む)
- 自立相談支援事業の支援を受けること。さらに社会福祉協議会やハローワークなどから継続的な支援を受けることが可能な方
- 総合支援資金の貸付により自立が見込まれ、かつ返済が可能な方
離職されている方は、まずハローワークにて求職申込をして職業相談を受けることが必要です。また貸付対象にもあるように総合支援資金の利用には住居がある方が対象です。失業などにより住居がない方は、総合支援資金の申込の前にお住いの自治体で住宅確保給付金の相談をしてみてください。
お金が無いなら住宅確保給付金を利用して住むところを確保しよう
失業や休業などで収入が減り住居を失うおそれのある人が、安心した住まいを確保するために支給される給付金です。
市区町村ごとに定められた上限額内で、実際にかかる家賃の3カ月間(最大9カ月間)を賃貸住宅の家主さんに、自治体から直接支払われます。
対象となるのは「離職・廃業から2年以内の方」や「個人の責任や都合によるものではない休業などによって収入が減り離職などと同じ程度の状況にある方」で求職活動を実施する方です。
お住まいの自治体や世帯の人数によって、資産や収入基準、支給額が違います。東京都北区の場合は以下の通りになります。
収入基準 | 世帯人数1人:84,000円未満 世帯人数2人:130,000円未満 世帯人数3人:172,000円未満 世帯人数4人:214,000円未満 世帯人数5人:255,000円未満 |
---|---|
資産基準額 | 世帯人数1人:504,000円以下 世帯人数2人:780,000円以下 世帯人数3人以上:1,000,000円以下 |
支給上限額 | 世帯人数1人:53,700円 世帯人数2人:64,000円 世帯人数3人~5人:69,800円 |
申請や相談は最寄りの自立相談支援機関で受付ています。相談受付の待ち時間緩和のため、直接来所する前にメールや電話で事前に問い合わせしておくことをおすすめします。
住宅確保給付金を申請した後、給付までの生活費の支援が必要な場合は「臨時特例つなぎ資金貸付」が利用できないかも合わせて相談されると良いでしょう。
貸付開始までに必要な生活費は臨時特例つなぎ資金貸付を活用できる
「臨時特例つなぎ資金貸付制度」とは、公的融資制度や公的給付制度の申請をしている住居のない離職者が、給付や貸付が開始されるまでの間に必要な生活費を貸し付ける制度です。
「利用できる公的融資や公的給付の申請はしたけれど、お金が振り込まれるまでの生活が苦しい」といった場合に臨時特例つなぎ資金貸付を活用しましょう。
貸付対象者は以下の3つに条件に該当する方です
- 住居のない離職者
- 離職者を支援する公的融資制度や公的給付制度の申請が受理され、貸付・給付が開始されるまでの当面の生活費が必要な方
- 貸付を受ける本人名義の口座を持っている方
連帯保証人は不要です。10万円を限度として無利子で借りることができます。お住まいの社会福祉協議会が制度利用の窓口となっています。
住まいはあるけれど緊急で生活費が必要な場合は、緊急小口資金が利用できるかもしれません。
緊急小口資金は最短5日で10万円が借りられる
「会社から解雇されてしまい一時的に生活が困難である」
「医療費や税金の支払ったので生活費が足りない」
一時的に生活が困難な低所得世帯に対して、10万円を限度として生活費を貸し付ける制度です。「緊急小口資金」は「生活福祉資金貸付制度」という公的制度の資金の一つであり、総合支援資金同様、自立相談支援事業の利用が必要です。
緊急かつ一時的に生活が困窮している世帯が貸付対象ですので、他の公的融資制度よりも資金の交付が早いのが特徴です。
貸付には審査があり、申込みから資金交付まで最短でも5日(営業日)かかります
引用元:緊急小口資金のご案内ー東京都社会福祉協議会ー
無利子かつ連帯保証人も不要です。「一時的に生活費に困窮した理由」に該当する貸付対象の詳細は各都道府県の社会福祉協議会にて公表されています。
https://www.shakyo.or.jp/network/kenshakyo/index.html
気になった方は、自分の状況が緊急小口資金の貸付理由に該当するかどうか、お住まいの社会福祉協議会のホームページにて確認してみてください。
生活保護は生活に困っているすべての人に保障された国民の権利
病気やケガなどにより働けなくなってしまったり、生計の担い手が死亡するなどして生活できなくなってしまった場合、日本国憲法第25条にて定められた国民の生存権の保障に基づき、最低限の生活を送ることが保障されています。
このような時に利用できるのが生活保護制度であり、生活保護法に基づいて行われます。
この法律は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。
引用元:生活保護法|e-Gov法令検索
生活保護の申請は国民の権利です。条件を満たす限りは無差別平等に受けることができるものですのでためらわず相談してください。
生活保護が受けられる方は以下の条件をいずれも満たす場合です。
- 今ある資産を売却しても厚生労働省の定める最低必要生活費に満たない
- 病気や怪我などにより働ける状況でない
- 年金やその他公的支援制度などを活用できない
- 親族からの援助を受けることができない
支給される生活保護費についてはお住いの地域や世帯人数、世帯構成により異なりますので、生活保護制度を利用したい場合には、お住いの地域の福祉事務所の生活保護担当にてご相談ください。
食べる物にも困っているなら「フードバンク」がある
「子供にお腹いっぱい食べさせてあげたい」
「食べ物を買うお金もない」
物価が高騰している昨今では、食費がまかなえず頭をかかえている方も多いのではないでしょうか。そんな時は「フードバンク」が利用できるかもしれません。
フードバンクでは個人やスーパー、生産者などから寄付された食品を主に福祉施設などに無償で提供しています。
公的な貸付制度の利用申込みをしていても、実際にお金が振り込まれるまでには時間がかかります。そのため、その間の食費に困ることもあるでしょう。
フードバンクが食料提供を行っているのは、主に社会福祉関連団体ですので、個人が利用したい場合は、まず市区町村の社会福祉協議会で相談してみてください。
参考:フードバンク:農林水産
借金の返済でお困りなら債務整理で返済負担を減らそう
借金があり、その返済に苦しんでいるのなら早い段階で債務整理を検討しましょう。借金返済の負担を軽減できる可能性があります。
債務整理の手続きは、任意整理・個人再生・自己破産・過払い金請求の4つです。それぞれの手続きの特徴やメリットは以下の通りです。
任意整理 | 毎月の返済負担を軽減させるため、賃金業者に対して利息の引き下げや返済金額の交渉をする手続きです。
和解後は3年程度の分割で返済していくことになります。 |
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個人再生 | 借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、借金を5分の1程度に減額する手続きです。
減額後は3年から5年かけて分割で返済していく手続きです。住宅などの財産は維持しながら借金の整理ができます。 |
自己破産 | 借金返済が見込める財産や収入がないことを裁判所に認めてもらい、借金の支払いを免除してもらう手続きです。
価値ある財産は処分されますが、今後借金に追われることなく生活を建て直すことができます。 |
過払い金請求 | 法律で定められている上限を超えて、過去に払い過ぎていた利息を賃金業者に請求する手続きです。
2010年6月17日以前に借入を開始したか、借金を完済してから10年以内ならこの手続きにより、過払い金が返ってくる可能性があります。 |
借金の返済負担が減ると、借金返済に充てていたお金を生活費に使うことができますし、精神的にも余裕が生まれます。どの手続きが最適であるかは個々の状況によりますので、弁護士に相談してみましょう。
急を要する借入が必要だけれど短期返済が可能なら消費者金融カードローン
お金がないからといって安易に借金を繰り返すことは危険です。しかし急を要する場合もあるでしょう。そんな時は消費者金融カードローンが便利です。
消費者金融のカードローンは利便性に大変優れているのが特徴です。WEBからの申込なら24時間365日受付けていて、土日祝日も融資が可能です。
さらに大手消費者金融のSMBCモビット・プロミス・アコム・アイフル・レイクの5社なら最短で即日融資も可能ですので、融資をお急ぎの方には便利な借入方法でしょう。
注意すべき点は、消費者金融のカードローンの上限金利は約18.0%と、公的融資制度に比べるとかなり高いことです。そのため返済が長引けば利息が膨らみ、返済総額が大きくなる可能性があります。
しかし大手消費者金融5社では、初めてカードローンを利用する方には無利息期間のサービスを提供しています。所定の期間内であれば利息がかからず元金のみの返済でOKです。
短期返済が可能な少額の借入れであれば、消費者金融のカードローンを利用するのも良いでしょう。
お金がない時に絶対にしてはいけない事3選
お金がない時は気持ちが焦ってしまいがちです。手っ取り早くお金を得たいと考えてしまう事もあるでしょう。
しかしそんな時に絶対にしてはいけない「お金を工面する方法」3つを紹介します。
- ギャンブルでお金を増やす
- クレジットカードの現金化によりお金を得る
- 闇金からお金を借りる
以上のことをするとお金がない状況から抜け出すどころか、さらに悪い方向へ進んでしまう可能性が高くなります。
ギャンブルを生活費を稼ぐ目的でしてはいけない
ギャンブルは、勝てば簡単にお金が増えます。しかし勝ち続けることができないのもギャンブルです。お金がない時にギャンブルをすれば生活費を稼ぐどころか破産する可能性が非常に高いのです。
さらに「借金をしてでもギャンブルをしてしまう」、「ギャンブルのために生活費を使ってしまう」といった状態であればギャンブル依存症の可能性もあります。
そうなれば本人だけでなく、家族をも巻き込み多重債務や貧困といった経済的問題が生じます。依存症は自力で解決することは難しいので、専門の医療機関や精神保険センター、保健所などに依存症の治療や支援について相談してみましょう。
クレジットカードの現金化はカード会社の規定で禁止されている
クレジットカードの現金化とは、クレジットカードのショッピング枠でブランド品や商品券などを購入し、それを買取業者に売ることで現金を手に入れる方法です。
クレジットカードの現金化をしてはいけない理由は以下の3つです。
- 支払い期日までにお金を用意できない可能性がある。
- クレジットカードの強制解約・一括返済を求められる可能性がある。
- 自己破産をしても負債が残る可能性がある。
当座の現金を手に入れることができても、結局クレジットカードの支払い期日までに代金分は用意しなくてはなりません。しかし支払い期日までにお金が用意できない場合が多く、信用情報に傷がつくことにつながります。
またこの換金行為が発覚すると、クレジットカードが強制解約となる可能性もあります。なぜならクレジットカード会社の多くはこの換金行為を禁止しているからです。
クレジットカード会社は、換金を目的とするクレジットカードの利用を認めていません。
引用元:クレジットカードのショッピング枠の「現金化」の誘いにご注意くださいー日本クレジット協会ー
解約される時にはすべての利用分の一括返済を求められることもあり、返済負担は相当なものとなるでしょう。
さらに自己破産手続きにおいて、クレジットカードの現金化で作った負債は「免責を受けることができない事由」に該当するおそれがあります。そのため裁判所が支払義務の免除をしてくれず、自己破産の手続きをしても借金がそのまま残ってしまうことになる可能性があるのです。
このように、一時の現金のためにする行為にしてはリスクが多く、ますます泥沼化する可能性があるので、クレジットカードの現金化はやめましょう。
闇金からお金を借りると法外な金利や取り立てに苦しむ可能性がある
闇金とは、賃金業の登録の有無にかかわらず出資法で定められている上限金利を超える高金利でお金を貸す違法な業者のことです。
出資法の第5条2項により上限金利は年20.0%と定められており、それを超えた貸付は刑事罰の対象となります。
金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年二十パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
引用元:出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律 | e-Gov法令検索
また闇金は、「審査なしで即日融資が可能」「ブラックの方も融資可能」など、お金に困っている方に対して甘い誘い文句で巧みに勧誘してきます。しかし実際は法外な金利での貸付であったり、精神的に追い込むような非常に厳しい取り立てが行われるといったことが特徴です。
一旦闇金からお金を借りてしまうと自力で解決することは難しいです。どこからも借りられないからといって闇金を利用するのは絶対にやめましょう。
お金がないとお悩みの方は一人で悩まずに相談しよう
お金の問題は人には相談しづらいため、一人で抱えている方も少なくないでしょう。ストレスや不安を感じているなら一人で悩まず専門の相談機関や窓口で相談してみましょう。
自分の考えだけでなく客観的な意見を取り入れることで問題解決に一歩となるかもしれません。各種相談ができる相談窓口をまとめました。自分の状況と当てはまるものがあればぜひ利用することを検討してみてください。
【住むところについて相談したい時】
「家賃が払えず家を追い出されそうになっている」
「入居できる物件が見つからない」
生活困窮者のための相談窓口です。電話やメールにて相談ができ、必要であれば近くの自立相談窓口を紹介してくれます。
【働く人のこころの健康について相談がしたい時】
働く人やその家族などに向けてメンタルヘルスに関するさまざまな情報や相談窓口を紹介しています。また産業カウンセラーなどが電話・SNS・メールで心身の不調や不安悩み等の健康相談を受け付けます。
【生活のさまざまな問題について相談したい時】
「収入が不安定でこの先どうなるのか不安」
「住む家も食べるものにも困っている」
誰でも利用できる悩み相談窓口です。生活のこと・配偶者のこと・お金のこと・仕事のこと・子供のことなど、どんな悩み事でも電話やFAX、チャット、SNSにて相談を受け付けています。
【借金返済に苦しんでいる時】
借金や離婚、相続といった法的なトラブルでお困りの方に解決に向けての法制度や相談窓口を紹介してくれます。また電話相談や無料の法律相談が受けられます。
【どこに相談したらよいかわからない時】
いくつかの質問に答えると約150の支援制度や窓口の中から状況に合わせた支援を佐賀kす事ができます。どこに、誰に相談してよいかわからず一人で悩みを抱えている方に最適です。
お金がない時は安易に借金をせず、まずは公的支援の利用を検討しよう
この記事では、生活に困窮している方向けに利用できる制度や融資、支援について紹介しました。
不要品を売ったり、知り合いに相談したりしても、現状を改善することができないなら、まずは国の公的支援の中で自分が利用できるものがないか検討してみてください。
生活が困窮している求職者の方なら生活費を低金利もしくは無利子で借りることができる、総合支援金や緊急小口資金といった公的融資が利用できます。
しかし公的融資には審査があり、融資決定されるまでは約1カ月程時間がかかる場合があります。消費者金融のカードローンなら最短で即日融資が可能ですので、融資をお急ぎの方に向いています。しかし金利が高めですので、借入れにはしっかりとした利用・返済計画が大切です。
既に借金を抱えている場合でも、債務整理の手続きによって、返済負担を減らすことができる可能性があるので、生活困窮状態から抜け出せるかもしれません。
「お金がない」悩みは一人で抱え込まず、専門の相談機関や窓口を利用して相談しましょう。一人では解決策を見出せなくても、専門家の客観的な意見を聞くことで問題解決につながるかもしれません。
当記事で紹介した内容を参考にして、自分の状況に合った方法を選び苦境を乗り切りましょう。