奨学金の返済がきつい・返せない場合どうする?免除方法や減額方法をご紹介

2023.09.22
奨学金の返済がきつい・返せない場合どうする?免除方法や減額方法をご紹介

「奨学金を返済できない」「返済が厳しいがどうしたらいいかわからない」といった悩みを抱えている方も多いでしょう。奨学金を滞納すると、将来にかかわる大きなリスクを背負うことになるため、早めのうちからの対策が必要です。

今回は、奨学金の返済ができない場合に有効な減額方法を紹介します。各債務整理のメリット・デメリットについても紹介するので、奨学金を延滞している方はぜひ最後までご覧ください。

次のようなお悩みをお持ちの方は、一緒に解決しましょう!

  • 奨学金が返せないなんて甘え?どうするのがいい?
  • 奨学金が返せないせいで自己破産してしまったらどうしよう
  • 奨学金が返せない人の割合ってどれくらい?女性の割合は?

それでは詳しく解説します。

奨学金とは?まずは奨学金の基礎知識を知ろう

奨学制度に基づき、家庭の経済事情で就学資金が足りない方に対して資金を貸与または給付するものである「奨学金」。なんとなくは知っていても、種類や返済方法まで詳しく把握している人は少ないはず。自分に合った減額方法を選ぶためにも、まずは基礎情報を把握しておきましょう。

奨学金は「給与奨学金」と「貸与奨学金」の2種類

奨学金は、主に「給与奨学金」と「貸与奨学金」の2種類に分かれます。給付奨学金は「給付」されるものであるため、返済する必要がありません。

一方、貸与奨学金は就学資金を「借りる」奨学金です。給与ではないため、利用に保証人と連帯保証人が必要とあります。在学中は返済せずに過ごせますが、卒業後に返済の義務を負わなければならないため注意が必要です。

奨学金の返済方法は主に2つ!

奨学金を返済する方法は、主に「定額返還方式」と「所得連動返還方式」の2種類です。定額返還方式は、借入額に応じた1ヵ月の返済額が定められ、完済までその額を支払い続けるものです。

一方、所得連動返還方式は、返済者の前年の収入を加味してその一年の返済額が決められます。前年の収入額によって返済額が変わるので、返済期間が定まっていません。

奨学金が返済できないとどうなる?結婚に影響が出る場合もある

続いて、奨学金が返済できないとどうなるのかについて解説します。貸与奨学金は立派な借金であるため、しっかりと返済しなければなりません。返済が遅れたり、返済ができなかったりすると不利益を被る可能性があるので、事前に確認しておきましょう。

期間や金額に応じて延滞金が発生する

奨学金の返済が遅れると、期間や金額に応じて延滞金が発生します。奨学金の種類や借りた時期によって異なりますが、年1.5%~10%の延滞金を請求されるケースが多いです。例えば、400万円の奨学金を10%で1年間延滞した場合、延滞金のみで40万円も支払うことになります。

奨学金を返済できずに困っている場合は、延滞するのではなく、早めに弁護士や司法書士などの専門家に相談するのがおすすめです。

ブラックリストに掲載される

奨学金を延滞すると、ブラックリストに登録されてしまいます。新たにクレジットカードを作るのが難しくなったり、ローンの審査に通らなくなったりするなどの影響が出るでしょう。賃貸契約に影響が出る可能性もあるため、引っ越しを検討している方は注意が必要です。

保証人や連帯保証人に請求がいく

奨学金の返済が滞ると、保証人や連帯保証人に請求がいきます。多くの方が、両親のどちらかを保証人や連帯保証人としてつけているはずです。急に請求が行くと両親を驚かせることになってしまうので、返済ができない場合は早めのうちに相談しておきましょう。

給与や財産を差し押さえられる場合がある

奨学金を返済できない状態が長く続くと、給与や財産を差し押さえられる場合があります。給与が差し押さえられると、滞納していることが会社にバレる可能性もあるでしょう。

例えば、延滞金が上乗せされて500万円に膨れ上がった場合は、500万円を完済できる分の給与や財産を差し押さえられてしまいます。返済できないと、今後の人生に大きくかかわる事態にも発展するため、早めから対策をしておきましょう。

結婚が破談になったケースもある

奨学金の返済を延滞したことにより、結婚が破談になったケースもあります。ブラックリストに掲載されると、車のローンや住宅ローンを組むのが難しくなるでしょう。30歳を過ぎてブラック状態になった場合、子どもの教育ローンにも影響が出る可能性も高いです。

そのため、「少しくらい延滞してもいいか」と軽く考えるのは非常に危険です。思い描いていた明るい将来を歩むためにも、返済できない場合は早めに対策を取りましょう。

奨学金の返済がきつい場合の対策方法は3つ!債務整理をするのがおすすめ

続いて、奨学金の返済がきつい場合におすすめの対策方法を紹介します。苦しい状態から早く脱出するためにも、困っている方はぜひ参考にしてください。

減額返還制度を利用する

毎月の返済額を半分に減らすことにより、返済負担を軽くすることができる「減額返還制度」。1回の申請で1年間適応される仕組みであり、最大10年の利用ができます。しかし、返済総額が変わらないうえに返済期間が延びてしまうため、慎重に検討しましょう。

返還期限猶予を利用する

奨学金の返済が難しい場合は、返済期限を延ばしてもらう制度である「返還期限猶予」を利用するのもおすすめ。育児休暇が必要な方や失業中の方などは、その期間中に限って返還期限が無制限になります。なお、いくつかの条件を満たす必要があるので、事前に確認しておきましょう。

債務整理を行う

奨学金を返済するのが難しい場合は、債務整理を利用するのもおすすめです。債務整理ごとに得られる効果は異なりますが、いずれの場合も返済にかかる負担の減らすことができます。

奨学金のほかにも借金を抱えている場合は、保証人の負担の減らすためにも、できるだけ早く対策を取る必要があるでしょう。返還期限猶予や減額返還制度を利用できない方は、債務整理も検討してみてください。

債務整理は主に4種類!それぞれのメリット・デメリットを解説

続いて、それぞれの債務整理の特徴やメリット・デメリットについて解説します。債務整理ごとに、手続きに必要な書類や見込める結果などは異なります。奨学金の返済状況に応じて最適な方法も異なるので、自分にあった方法を選ぶためにもしっかりと確認しておきましょう。

任意整理とは?将来利息や遅延金カットが望める手続き

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉をし、借金を減額してもらう手続きです。多くの場合、遅延損害金や和解日から発生する利息をカットしてもらうことで借金総額を減らせるでしょう。

遅延損害金や将来利息をカットできれば、それらに充てていたお金を元金の返済に充てることもできます。債権者との間に過払い金が生じていた場合は元金の減額も可能であるため、気になる方は借金減額シミュレーターを利用してみるのがおすすめです。

しかし、必ずしも和解に応じてもらえるわけではありません。債権者によっては話し合いさえも応じてもらえない場合があるので、注意が必要です。手続きをしても借金の返済は続けることになるため、安定した収入がなければ認められない場合もあります。

個人再生とは?借金を5分の1程度に減らせる手続き

個人再生は、借金の返済が難しいことを裁判所に申し立て、借金を5分の1~10分の1程度に減らしても手続きです。減らしてもらった債務は、3年~5年かけて分割で支払う形になります。条件を満たせば家を残ることもできるので、家を手放したくない方にもおすすめです。

しかし、個人再生をするとブラックリストに掲載されてしまいます。掲載されると、新たにローンを組むのが難しくなるので注意が必要です。借金総額が5000万円以下でなければ手続きできないため、その点も事前に確認しましょう。

また、手続きする場合は、同一家計の収支を裁判所に報告しなければなりません。家族に借金があることを隠した状態で手続きを進めるのも難しいでしょう。

自己破産とは?裁判所の許可を得て借金をゼロにできる手続き

自己破産は、裁判所に申し立てを行って免責を認めてもらうことにより、借金をゼロにする手続きです。裁判所に認められれば、養育費や税金などを除いたすべての借金が免除されるため、借金総額が膨れ上がりすぎて返済がほぼ不可能な方におすすめです。

生活保護を受給している方や無職の方なども利用できるので、借金返済の目途が立たなくて困っている方は、なるべく早く弁護士や司法書士などの専門家に相談するとよいでしょう。

しかし、自己破産をすると約5年間はブラックリストに掲載されてしまいます。氏名と住所が官報に掲載されるほか、同一会計の収支を裁判所に提出しなければならないため、家族に内緒で進めるのも難しいです。

また、借金がゼロになる変わりに、家や車などの一定以上の価値を持つ財産は没収されてしまいます。免責決定が出るまでの間は職業制限も受けることになるため、保険外務員や警備員などに就いている方は注意が必要です。

特定調停とは?債権者と話し合って借金を減額してもらう手続き

特定調停は、裁判所の仲介を受けて債権者と話し合い、借金を減額してもらう手続きです。任意整理と混同する方が多いですが、任意誠意は弁護士に依頼して行うのに対し、特定調停は弁護士に依頼せず自分で進めることができます。

弁護士への依頼費用を用意する必要がないため、できるだけ費用を抑えたい方におすすめです。

しかし、準備する資料が多いうえに、平日に何度も裁判所に通わなければならないため、仕事をしながら進めるのは難しいです。他の債務整理に比べて成功率も低いため、話し合いが苦手な方は避けた方がよいでしょう。

奨学金の返済がきつい場合は債務整理を検討しよう

今回は、奨学金の返済がきつい・できない場合の対処法を紹介しました。いくつか対処法を紹介しましたが、一番おすすめなのは弁護士や司法書士に相談して債務整理をすることです。専門家と二人三脚で手続きを進めていけるので、とても心強いです。

無料相談を行っている弁護士事務所もあるので、奨学金が返済できなくて困っている方は、ぜひ気軽に相談してみてください。